2016年04月13日

感想 「ジュニオール・ドス・サントス VS ベン・ロズウェル」 UFN 86



4月11日(月)に行われた UFC Fight Night 86 「サントス VS ロズウェル」大会におけるメインイベントの感想です。


第13試合 ヘビー級 5分5R
ジュニオール・ドス・サントス VS ベン・ロズウェル


勝利:ジュニオール・ドス・サントス(判定 3-0)


  入場時の表情から、サントスの表情から集中力が見て取れた。対するロズウェルはやや緊張した面持ちに見えたが、心理状態は計りかねる。クロアチア、ザグレブからは大きなJDS(ジュニオール・ドス・サントス)へ大きな声援。・・・続きを読む
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2016年03月21日

感想ほか UFC Fight Night 85「ハント VS ミア」大会



UFC Fight Night 85「ハント VS ミア」大会

< 感想 4本、ほか >

・アントニオ・カルロス・ジュニア VS ダン・ケリー
・ジェームス・テフナ VS スティーブ・ボッセ
・レスリー・スミス VS 中井りん
・チャド・ラプリーズ VS ロス・ピアソン

・ほか、ハム・ソヒ、アラン・パトリック


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アントニオ・カルロス・ジュニア VS ダン・ケリー

勝者:ダン・ケリー(3R TKO)


ケリー、ホームでの大逆転勝利!
いつもケリーの試合は感動する。

スタンディングでカルロスの距離が長く、苦戦するケリー。

しかも組みついたところでカルロスは柔術が強く、ここでもジリ貧。


ケリーがすごいのは、ここの苦境を受け入れ、それでも前進するという自分のゲームを死守するところ

これで相手を動かし、どれだけ被弾してポイントを取られても確実に相手を削っていった。

自分ができることがなにか、着実に着実に積み重ねる姿に心を打たれる。


3R、相手のガスが尽きるや機を伺ったら一気にテイクダウン。

残りは3分。判定まで行けば負けは必至。

一本かKOで決めるしかなく、選択肢は残り時間を考慮して

・パウンドの連打
・サブミッションの組み立て
・立ち上がって打撃戦でKO

ここでケリーが選択したのはパウンドの連打

マジでクレバーだと思った。
残りのガスは残しておいても意味がない。

動くガスのない相手にパウンドを打ち込めばレフェリーが止めることを知っているかのように定位置を守りながら殴り続ける。

ケリーが強いのはここだよな、と思う。


パワフルだが粗っぽい若い選手を、知恵とハートで年老いた選手が逆転する神試合。

俺好みのもの。

完賞。ごっそさん。



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ジェームス・テフナ VS スティーブ・ボッセ

勝者:スティーブ・ボッセ(1R KO)


とにかくボッセの前試合の印象が悪すぎた。

ガードも上げず、ステップもなく、ヘッドムーブもなかったため、テイクダウンもパンチも防げないだろうというのが戦前の予想。

今回ボッセはある程度頭が動いてた。


あとはテフナが悪すぎた
あそこまでテイクダウンに行けないとは。

ディフェンスが非常にまずかったな。


余裕でテフナが勝つと思ったので唖然としてしまった試合。

しかしボッセのパンチ力は異常。腰も回りきってなければ体勢も悪い。


ただ、肩が本当にきっちり入っている。

強いパンチを打つことに関して言えば、めちゃくちゃうまいと認めざるを得ない。



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レスリー・スミス VS 中井りん

勝者:レスリー・スミス(判定 3-0)


戦前の予想では、自分は中井がスミスを確実にテイクダウンしコントロールできると思っていた。

しかし、成功率が低すぎた。。。

もう少しいけると思ったんだが、体格の差は如何ともし難いか。


間違いなくストロー級が適正だろう。それでも小さい方だ。
スミスからテイクダウンしてコントロールを取れないのであれば、UFCでは現時点で通用しないことが証明されてしまった。

悔しいが。


ただの観戦者なので忌憚なく発言させてもらうが、コーチの指示がクソ

「組みつけ」「殴れ」

こんな指示がこの世にまだったのか?

中井りんは鉄人28号か。


それって「試合に勝て」と叫んでいるようなもの。

選手が俯瞰できないのを代行し伝えるのがコーチの役目だろう。

中井りんは十分に組みつき殴ろうとしている。


中井の意図とは反するかも知れないが、この連呼の中、黙って戦う中井りんを自分は労いたい。



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チャド・ラプリーズ VS ロス・ピアソン

勝者:ロス・ピアソン(判定 2-1)


多少判定の難しい試合だったとは思う。

自分はアドバンシングやダメージで明らかにピアソンだと思う。


ガードの上からのヒッティングが目立ったので、印象でラプリーズが選ばれそうだと思ったが、今回の大会を見ているとオーストラリアの審判は信頼できそうだと思った。


まずジャブの差し合いとローではピアソン。

ヘッドがよくムーブし、カウンターなどの動きをみると、ピアソンってやはりただものじゃないと思う。


対するラプリーズはリーチがやはり長いので、右ストレートが生命線だった。

ほとんど拮抗する試合だったから、どちらもテイクダウンのトライを一発入れればいいのにと思いはしたが、これはもう選手の嗜好なのだろう。


お互いにとにかうスタンディングで闘いたかったのだと思う。


ピアソンももう36歳だが、できればフェザーで見たい



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ほか、ハム・ソヒ、アラン・パトリック


ソヒは判定3-0でベク・ローリングスに負け。

予想通り打撃の試合とはなったが、途中転んだりしたのが良くない。

あと相手の打撃もめちゃくちゃよかった。ここまで良い印象はなかったな。
分かってはいたが、これまた身長差がきつかった


アラン・パトリックはすごく強いのだが、とにかく粗い。

リーチも打撃もテイクダウンも良いのだが、タックルへ行って自らボトムへなるあたり、非常にあぶなっかしい。

ただ、3Rの試合運びを見ていると、やるべきことは重々に承知のようだとは感じる。
カーディオが良いのが強さの裏付けかな。



posted by nao_mma_ymt at 15:00 | Comment(2) | 試合感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

感想 マグニー VS ロンバード、ケース VS マシューズ UFN85



UFC Fight Night 85 「ハント VS ミア」大会


< 感想 2本 >
・ヘクター・ロンバード VS ニール・マグニー
・ジョニー・ケース VS ジェイク・マシューズ



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第11試合 ウェルター級
ヘクター・ロンバード VS ニール・マグニー

勝利:ニール・マグニー(3R TKO)

予想:ニール・マグニー


< 試合前の印象 >

1年前だったら明らかにロンバードが格上。

ドラッグ・コンテストに引っかかり1年ぶりに出てきたロンバード。
去年5試合こなし、強豪に勝ってきた成長著しいマグニー。

今や勝利予想はトントン。
ロンバードの1年のブランクが吉とでるか凶とでるか。

自分は禁止薬物の使用者に勝ってほしくないのが本音。



< 展開 >

1R
立ち上がり

勢いよく距離を詰めるのはロンバード。

ケージ際にマグニーを詰めて、スクランブルから大きな左フック。

これが効いてマグニーが崩れる

膝をつくマグニーへ背中越しに覆いかぶさり、強烈な左を横殴りする。
明らかに効いていて、マグニーが思うように対処できていない


中盤のグラウンド戦

マグニーがロンバードをガードトップまで戻すことにより、少し局面が落ち着く

ケージ際に押し付けられ、膂力の強いロンバードへの思うように対処できない。
じっくりとマットへ向き直し、どうにか立ち上がるマグニー


再びスタンドへ

立ち上がるやすぐに前に出るマグニー。

ダメージがある程度抜けたか、勢いよく殴っていき攻勢に出る
気力を感じさせる。

対するロンバードは早くも消耗が見てとれる。

1Rはマグニーが押し返し、終了。



2R
立ち上がり


右対左の四つなので、ストレートの距離の長いマグニーのワンツーが良く当たる

ロンバードは消耗からか、ほとんど対処できない。
どうにか力を込め、フックを打ち返す。


ロンバードの逆襲 再び

ほとんどマグニーのゲームで、ワンツーを主軸に相手を支配。

しかし、打ち終わりを狙ったロンバードが渾身の左をビッグヒットさせる。

ダウンしたマグニーへ襲い掛かるロンバード。


マグニーの素早いリカバリー

前Rほど効いておらず、消耗激しいロンバードの攻撃を冷静に対処するマグニー。

足関節を仕掛けるロンバードを躱し、グラウンドではマグニーがトップを取る

三角締めや腕ひしぎを狙うボトムを経て、マグニーが今度はマウント・トップへ。


マグニーの怒涛の攻勢

マウント・トップからパウンドを落としまくり。
ロンバードは返せず、床マット方向へ向きなおすのが精いっぱい。

構わずマグニーはバックトップから殴りまくる。

2R終了の1分ほどパウンドの嵐が続いたが、レフェリーは止めず。


3R
決着へ


マグニーが殴りに出ると、ロンバードはガスがないながら、強打であがく。

冷静なマグニーがエルボーから流れるようにテイクダウン

ロンバードは余力がなく、いとも簡単にマウントを取られる。

マグニーはハイ・マウントからパウンドを落としていく。


前Rが再現されると思いきや、今度はレフェリーが試合続行不可能を判断。

パウンドは数発ですぐにストップ



< 感想 >

結果的には2Rのパウンドで止めてもよかったことになるが、判断が少し難しいところだろうか。
あそこのストップで文句を言う人はいないとは思う。

しかし、マグニーは本当にガスの豊富さ含め粘り強い。

特に良いのはスクランブルで、ここでほとんど負けない。
ガステラム戦やイム戦でもそうだった。

グラウンドも非常に良く、盤石さが目立ってきた印象

打撃の距離や速度は良いのだが、課題は打撃ディフェンスか。



対するロンバードも調子はよさそうだった。

爆発力は健在だったが、ガスが悪い
ロメロのように、じっくりプレッシャーを掛け相手を動かす闘い方の方が向いているのではないか。

強打のうち返しを温存し、ガスの使い処を精査しないと勝ちの目が時間経過とともに激減しそうだ。

しかし、身長の高いマグニーには遠い間合いでの様子見も少し分が悪いか。


今回は相手が悪かったな。



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第10試合 ライト級

ジョニー・ケース VS ジェイク・マシューズ

勝者:ジェイク・マシューズ(3R リア・ネイキッド・チョーク)

予想:ジョニー・ケース


< 感想 >

マシューズが成長していたと思う。

打撃は慎重性が増し、局面を読むような闘い方になったように見える。


マシューズのワン・ツーがソリッドでケースはこれに慣れるまで少々手こずる。

ヒットは良いのだが、ダメージは浅く、2R以降はスイッチングするケースの左ストレートが非常に良い。
スタンディングでのプレッシャー、アドバンシングは明らかにケース

これは徐々にマシューズの戦力がそがれるはずだと見ていた。


さらにスクランブルではやはりケースで、マシューズのタックルにも軽々と対応し、トップを取る。

この時点で、やはりマシューズがケースに勝つのは厳しいだろうと自分は再確認したつもりだった。


明らかに流れが変わったのは、2Rのマシューズの放ったワンツーからの左ミドル
これがばっちり決まり、確実にケースが効いた。おそらく負傷したと思う。

ケースが手ごわいのは、ここですぐさまレベルチェンジし、グラウンド・トップを取ったところ。

マシューズはグラウンドではケースに対抗する手はない。


2Rトップから攻め込んだケースがR終了時に明らかに消耗していた。
クレバーなケースのプランが崩れている証拠。

余計なガスを使い、グラウンドへ行かざるを得なかったのは、ミドルが効いていたからだろう。


3Rは再び大きなミドルをケースに当てたマシューズ。

以降、ダメージも溜まりガスも消耗しているケースのテイクダウンを許さなかった。


ここで勝敗は決まっていただろう。


マシューズの大きな大きな勝利。

自分は非常に感心した。


マシューズの成長は特に心理面によるものが大きいだろう。

スクランブルとグラウンドで劣る相手に戦い抜くには、本当に打撃を精査しなければならない。

ストライカーとしてのこの戦い方を、21歳の彼が出来るのは素晴らしい。


ハートの強さもガス配分もばっちり。

今後に大きく期待。

ちなみに、マシューズの打撃は強力だが、外部破壊系の打撃の様だ。
相手の顔を腫らしたり、カットを狙うことができても、パンチでKOするにはきっちり顎を狙う必要があるか。

逆に、ミドルなんかで脇腹をへし折ったりするのに向いているのだろう。
思えば、ミルコやヒョードルの打撃の質もこうだったな。


対するケースは、スクランブルを幾度か布石しておくべきだったように思う。

ミドルを効かされたあと、非常に厳しい戦いとなったが、あのテイクダウンとグラウンドコントロールは見事だった。


有望な若手同士潰し合い。

めちゃくちゃ面白いの一戦だった。



posted by nao_mma_ymt at 14:13 | Comment(4) | 試合感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

感想 マーク・ハント VS フランク・ミア UFC Fight Night 85



第12試合 ヘビー級

マーク・ハント VS フランク・ミア


勝者:マーク・ハント(1R KO)

予想:マーク・ハント



< 試合展開 >

・立ち上がり

両者ジャブの差し合い。距離が遠く、互いに被弾はなし


ハントはワンツーやジャブから右のアッパーなどで、単発の強打を丁寧に当てていきたい思惑だろう。

対するミアは、ジャブなどの差し合いで打撃における主導権のシェアを少しでも奪い、スクランブルを仕掛けていきたい


・最初に仕掛けるミア

開始30秒ほど。早速ミアが仕掛けたのはスクランブル。
以後の展開を考えると布石になるので、早い展開で仕掛けておくのは良いと思う。

しかし、ハントはこれを難なく回避

(余談だが、これを見て自分はハントが勝つと確信し、この時点で大きく追加ベット)


・ハントの組み立て

以後、ハントが距離を丁寧に保ちながら、2発程度の強打を堅実に振るっていく
ハントがこれほど丁寧に出ると、ミアはスクランブルのタイミングがシビアになる。


開始は三分に差し掛かろうとすると、ハントのステップインにスクランブルせんと頭を下げたミアに、ハントは強烈な右の打ちおろし


・決着

これがテンプルにビッグ・ヒットし、ミアが崩れ落ちる。

十分な手ごたえを感じたか、追撃をせず悠々と踵を返すハント。


レフェリーはミアが地面を這いつくばる姿を見て、あえなくストップ



< 感想 >

いやー、ハント最高だった。

ミオシッチに負けたあたりからめちゃくちゃ調子がいいようだ。
ガスの心配はまだあるだろうが、とにかく作戦が最適化されているように思う。

最少の動きで最大のパンチを打ち込むための動きに、より整合性が出てきた


ミオシッチほど体力がありパンチとレスリングを持っている選手には、当然もう少し厳しくはなると思う。
あと、ステップインを大きくしなければならない高身長の選手にも同じことが言えるか。

しかし、ストライカーはプランBがないために、とにかくひとつの戦術を磨き上げていくしかない

それにしても、あの打撃の精度と威力が過去最高に思える。何か掴んだかな。


ハントに大きく期待が持てた。



対するミアだが、今回は何もできなかったな。

ミアもすごく好きな選手なのだが、スクランブルさえできれば、という予想は多々あったように思う。

アルロフスキー戦以上にスクランブルを許されなかったのは、とにかく二撃目のハントの打撃の精度と圧力に尽きる。
もう少しダイナミックに動く必要があったかも知れない。


以下に分析。



< 分析 >

・ハントの距離 対スクランブルの打撃

ハントの打撃がオクタゴンにおいていよいよ最適化した印象を受ける。

まず、ジャブが丁寧でハントのディフェンスが良いので、遠い距離での差し合いが成熟してきた。

ここでカウンターを持つハントに対して、スクランブラーは迂闊に攻められない仕様となっている。


次に、ハントのジャブに続く第二弾の攻撃の脅威

フック系の、防御態勢に戻るまで時間のかかる攻撃はあまり見せない。
真っ直ぐストレートを出すことにより、かなり隙が少ない。


最初に見せたジャブからの右アッパーなども、素晴らしい。

威力は申し分がないし、右アッパーはスクランブルでハントに対抗しようとする相手の頭が下がる軌道上を通る。


これらの攻撃は、スクランブルフェイズのリスクを十分に避けることを可能としている。
さらに有効な強打を打ち込める効率の良い攻撃。



・フィニッシュ 右の打ちおろし

まるでスクランブラーの下がる頭をホーミングするように、打ち下ろしている。

おそらく相手をよく見て集中しながら、打撃とスクランブルへの反応を同時に解釈しながら動いているかのよう。


ハントは昔から打撃の精度は非凡なものがあった。

MMAにおいてストライカーの打撃精度は必須だが、この右はただのクリンチでは対抗できないだろう。



・ハントへの対抗策 ミアが取るべきだった作戦

ストライカーへは、やはりタックルなどでスクランブルへ持ち込むことがとにかく最低条件

ただ、ここでハントの打撃に隙がなさすぎる。
そこで、ハントの打撃に隙を生じさせる必要がある。

とにかくストライカーがタックルに反応できないように、積極的に動きをコントロールしなければならない。


コンパクトにしか動けないストライカーと違い、スクランブラーはダイナミックに動ける。
そこで、オーバーハンドなんかは良いと思う。威力も良いし、相手の上体が起きやすく、姿勢もタックルに似ていてフェイントや布石となる。


さらに、カウンターのタックルを決めたいなら、ハントのステップインをもう少し大胆にさせる必要がある。
大きくステップインする場合、タックルへの反応は困難になるため。

川尻などが行うように、大げさにサークリングし、威力がよくトリッキーな打撃を散らすのが良い。

ストライカーはタックルを警戒しているので、タックルを警戒しないでいいスクランブラーは、この打撃においてストライカーよりもダイナミックに動けるのは利点

ここは生かすべきだろう。


ストライカーはステップインを迂闊にできなくなるし、大きくステップインしなければ相手を捕まえられなくなるため。

ここにスクランブルをぶち込んでやるのが良いだろう。


それでもハントはアッパーやカウンターで対抗するだろうが、やはりこちらの方が幾分か分が良い。

このようにアクションの成功率を上げるような行動を積み重ねるべきだろう。


余談だが、こういうロジックはジャクソンズが本当にうまい。


余談を重ねるが、現王者ファブリシオがハントに1R打撃でボコボコにされて行った策は、スクランブルを幾度か布石したのちに、しゃがんでタックルをフェイントしたあとの飛び膝蹴り。

こういう大胆なムーブがスクランブラーには本当に大事だと思う。



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2016年03月07日

感想 UFC 196 「マクレガー VS ディアス」大会


UFC 196 「マクレガー VS ディアス」大会 感想


今回はメインの二試合のみ。

他、非常によかった夜叉坊なんかの試合はまたベット結果の記事で一緒に載せたいと思います。



第12試合 ウェルター級 5分5R

コナー・マクレガー VS ネイト・ディアス


予想:コナー・マクレガー


1R開始すると、ネイトはいつも通りスロースタート。
マクレガーは遠い距離からしばし様子を見ると、間もなく打ちに出る。

ネイトのフットワークとハンドスピードではマクレガーの速度に対処できず、マクレガーが左ストレートをガンガン当てていく展開。
マクレガーがネイトの初弾に対して非常に反応が良いのと、カウンターやハンドスピードのキレが良いので、かなり強打を当てている。

序盤から早くも打撃に技術差が出た。

ただし強打を打ち込んではいるものの、長身かつリーチの長いネイトに対しやはり数センチ距離が遠いか。
左対左なので、マクレガーの左はネイトの顎の真正面からは当たらない。
背の高いネイトの右肩がやはり邪魔で、左ストレートでは顎を狙えず、テンプルか、右フックで顎の正面を捉えるべき。

明らかにダメージを与えているが、渾身のジャストミート、つまりKOには至らないという印象。


今一つは、ネイトがそれでも確実に打ち返しているという点。
マクレガー自身のディフェンスは非常に良いので、直撃はしない。かわすが顔には届いてる印象。

実際ライブスタッツから手数に差はほとんどない模様。


実際にはダメージ差、圧力の差は歴然。

ネイトが早くも流血し、腫れ上がる顔を見せる中盤。
これ以降の展開としては、もう一歩深く踏み込んだところでマクレガーが左を当ててKOしたいという感じ。


このままいけば当たるだろうと思うと、ネイトのパンチをピックしかなり近い距離でマクレガーの左の強烈なカウンター。
かなり深いがKOに至らず、追撃もまた身長のあるネイトへ難しい。

1R終了間際、グラウンドでボトムになったマクレガーがトップを奪い返し、攻める場面も。
膂力では全然負けておらず、スクランブルも全く頼りなくない。

ネイトがKOされるのは時間の問題か。


2R

先と同様の展開だが、中々ネイトが倒れない。
3,4Rまでこれが続くならマクレガーが消耗しそうだと思ったが、ここで1Rからネイトが丁寧に無心に振り続けてきた打ち返しが効いてくる。

マクレガーの消耗からか、オフェンスの精度が少し落ちてきたころ、ネイトの右フックやワンツーがマクレガーを捉えるようになってくる。
明らかにダメージを負ったマクレガーは、戦況を立て直さんとディフェンスとオフェンスの精度向上を努力するのが見える。

ここはネイトが逃さず、明らかにまだまだこれから、といった様子で殴りに行く。
ここでマクレガーのカウンターをいかに強烈に被弾してもKOされずひるまないネイトが非常に良い仕事。

カウンターを打ち込むにも消耗する流れとなったマクレガーが選択したのはダブルレッグ。
自分はこのタックルを高く評価したい。


が、余力に差がありすぎる。
ここまでの出力差は残りの体力差となったか。

グラウンドではネイトがマクレガーをコントロールし、首をキャッチしたりバックについたりだので、チョークスリーパーを仕掛ける。

これは絶対絶命のピンチかと唖然としていたら、明らかに顎の下にネイトのアームが入った。
残りは1分、精神的に耐えられたとしても肉体の出力が取り除かれるのは必至。

マクレガーがここでタップ。


勝者:ネイト・ディアス(2R リア・ネイキッド・チョーク)


何よりはじめにネイト・ディアスの勝利者インタビューを。
最初の一言。腫れ上がっていながらも、涼しい顔で

「I'm not surprise, moda f**ckers (なに驚いてんだ、クソども)」

で、爆笑した。ネイト最高だな。


本当にショート・ノーティスで良く出てきた。
こういう試合でちゃんと魅せてくれるし、しっかり勝つことができるから、彼らにはランキング以上の価値が伴う。

ネイトは試合後にマクレガーの強打を称賛しながらも、経験したことないことではなかったと話した。
何発ぶん殴られても、もう少ししたらぶっ飛ばすと思っていたらしい。

これがネイトの喧嘩の仕方だったのかも知れない。
ボクシング技術で勝る相手に、打ち勝つ方法や瞬間の対処法ではなく、ぶっ飛ばし方を知ってたのだと理解した。

MMAファイターとしても経験値が豊富なことを見せてくれた。



対するマクレガーだが、本当にお疲れ様、と言いたい。
自分は、特に去年から、マクレガーのおかげで心からUFC観戦を楽しませてもらっている。

それは彼が、到底常人が取るべきでないリスクを取って、それを乗り越えられるところにある。

試合前に怪我があっても、対戦選手が変わっても、試合中でも、相手が上の階級の選手でも、そして主戦場より12kgも重い階級でも、彼は堂々と前進した。
マクレガーは常に前に出て、常にゲーム内外で熱狂とドラマを作ってきた。

ツイッターでも今しがたつぶやいたが、こういうリスクを取れる選手はそもそもいないし、乗り越えられる者も極わずかだろう。

マクレガーはその連続だった。

しかも、それは終わっていない。
次はフェザー級で防衛すると宣言しているが、ストーリーとしても自然だろう。

マクレガーを取り巻くすべてのファンや選手や関係者が、こぞってマクレガーを欲していた。
彼が王者になったのはここ3ヶ月以内なのにも関わらず。

王者なら半年に一度防衛戦を行えば仕事を全うしていると言えると思う。

この結果は、マクレガーがリスクを乗り越えてきた証だと誇ってもらいたい。
そしてこのオッズも、考えられないリスクをマクレガーなら超えてきたという実績が作った信頼に他ならない。


次戦はおそらくジョゼ・アルド戦になると自分は思う。

エドガーは非常に不運なのだが、本当にまだフェザーで新王者が誕生して3ヶ月と経っていないのが事実。
廻りあわせがあるだろうから、自分はマクレガーが挑戦者を待たせているとは決して思わない。


マクレガーの今後が楽しみでしょうがない。


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第11試合 女子バンタム級 チャンピオン・シップ

ホーリー・ホルム VS ミーシャ・テイト


予想:ホーリー・ホルム


1R。
打撃の距離ではホルムだが、ミーシャが出入りするためにミーシャへのパンチの有効打が少ない。
決してミーシャの打撃を被弾するわけでもないのに、少しながらホルムが打撃を当てたいと焦っているように見えなくもない。

長距離に関してはローや左ストレートで十分に盤石な試合運びが出来ているホルム。

やはりスタンディングではミーシャが少々不利な戦況なのだが、これこそが想定内というミーシャのプレッシャーは強いと思う。

ミーシャのスクランブルの仕掛け方はやはりラウジーより非常にうまく、ホルムを幾度か捕まえる。
しかし、ホルムのフィジカルが非常に良く、体勢が悪くない場合、本当にテイクダウンを許さない。


注目は2R。
機を吟味したミーシャが早い時間から組みつく勢いそのままに、左足でホルムの足を引っ掛けテイクダウン。
一度テイクダウンし体勢が安定してしまうと、グラウンドではまさしくミーシャの独壇場。

ホルムはグラウンドでミーシャに対抗する術は、かなりなかった。ここはホルムの明らかな弱点。

十分にホルムをグラウンドで削り、バックからチョークを仕掛けるのはミーシャ。
時間は1分残っていたが、どうにかホルムが耐えて2Rは終了。


ホルムの消耗度の気になる3R。
しかし恐るべきカーディオとメンタルで、自分の距離を固く維持できているホルム。
戦況が一気に変わったと思ったのだが、ここのホルムの修正は見もの。

やはり本当に強い王者だと認めたい。
特にはジャブが、少しモーションはわかりやすいが良く出ていて、相変わらず左のストレートが綺麗でミーシャが対処はできない。
先のスクランブルの恐怖がある以上、ミーシャの方が攻めやすいはずだが、丁寧な打撃がぶれないホルムの優位がやはり安定的になっていく。

4Rまでこの展開は続き、ミーシャは2Rのようにうまく組みつく機会がないように思える。
よしんば組みつかれても、強固なディフェンスで倒れないホルム。

同じ轍は2度踏まないか? 4Rも維持でミーシャの活路が目に見えて薄れていく。


5R。
戦況と観客のテンションも落ち着いている。
ホルムは優位を維持しながらテイクダウンに対する集中を切らせてはいけない状況での丁寧な打撃。

通常だともうこの集中力は限界に近づくはずだとは思う。
打撃手を追う立場のグラップラーが強いのも、ここからではあるが。

ホルムは変わらず丁寧な左ストレートが出るのだが、とうとうミーシャがこの引手を追いかけ組みつく。
ホルムが大勢を整える暇を与えず、バックにつきそのままテイクダウン。

会場が爆発する。ミーシャ、それはすごいぞ。
狙っていただろうし、クレバーだったし、焦っていなかったし、機会を逃さなかった。

先のグラウンドの展開を見る限り、ホルムを極めることはあり得る。
ミーシャが流れるようにバックを取るが、ホルムは四つん這いから立ち上がらんとする。

立ち上がるホルムをすかさずバックから首を取る。
ここのキワの攻防は大きな大きなMMAの経験差が出ているように見える。

今度は明らかに顎の下へアームが入っている。
これは外せない。

しかしホルムは首を掴まれたまま、前転しながらミーシャをグラウンドへ投げ叩きつける。
それでもミーシャは絶対に離さない。

グラウンドでタイトに締まっているチョークは、絶対に外れることはない。
観戦者である自分は勝敗が決したと思ったが、ホルムはタップしなかった。

相手を殴るように両腕を動かすと、ホルムは失神してしまう。
レフェリーがすぐに試合を止めた。


勝利:ミーシャ・テイト(5R リア・ネイキッド・チョーク)


女子バンタム級のタイトル戦線。
こんなに激しいドラマを2戦も続けて見れるのは驚嘆以外の何ものでもない。

すでに2代も前となってしまったかつての絶対王者ラウジーは何を思うのだろうか。
明らかにポジティブに触発されてるのではないだろうか。

ホルムのあらゆるメンタルや組み立ても見事そのものだったが、今回はミーシャのメンタルの深さが見られた。

とにかく自己の勝利を疑わない。

ミーシャの5Rのあの一本勝ちは、2Rにテイクダウンしたのが大きかった。
これは本当に細かいことを勝利を信じて練習し、さらに試合中にも積み重ねてきた結果だろう。

この逆転劇は見事という感想しかない。


ホルムに対しても同じく見事という感想以上ない。
ホルムの課題が見えた以上、彼女は修正してくる。

そういう経験があるだろうし、そもそもジャクソンズの戦術会議会が黙ってないだろう。

当然勝利が最高だとしても、負け方としては最高だったという言葉をホルムには贈りたい。


新王者、ミーシャ・テイト。
前王者、ホーリー・ホルム。
元王者、ロンダ・ラウジー。

この役者の揃いぶり。女子バンタム級はまだまだ飽きさせない。ドラマが続く。



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posted by nao_mma_ymt at 04:45 | Comment(4) | 試合感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月28日

感想 UFC Fight Night 84 「シウバ VS ビスピン」大会


06:45 アンデウソン・シウバとゲガール・ムサシのパーレイ1.846倍に97 unit 追加ベット。@ピナクル。
リアルタイムでツイート済み。


感想 UFC Fight Night 84 「シウバ VS ビスピン」大会




第13試合 ミドル級

アンデウソン・シウバ VS マイケル・ビスピン


予想:アンデウソン・シウバ


試合内容を書いてたのだが、とにかく燃え上がりすぎて途中でやめてしまった。

ビスピンは本当に良いファイトだった。
おめでとう、ビスピン!

勝者:マイケル・ビスピン(判定 3-0)



2分間クリーンヒットなしの立ち上がり。
1.2Rはシウバが非常に慎重。

この試合は、スパイダーが自信を取り戻す闘いだった。
徐々に、徐々に、シウバがリズムを作ろうとしているのがわかった。

今回、シウバにカウンターが無かったように思える。
自らのオーラを演出しマジックを仕掛けてきたシウバ、今日はどんな狙いがあったのだろうか。


シウバがケージを背負う、見慣れた光景だったが、もはやその場所が居心地がいいようには思えない。

シウバの全盛期の動きと明らかに違ったのは、攻撃フェイズで動きが固いことだ。
ステップインに対するシウバの反応も、全盛期のそれではない。

3R、マウスピースを吐き出してしまったビスピンに襲い掛かるシウバ。
そこまで展開は変わらなかった、シウバのカウンターはもはやない。
ローキックがときたま当てるだけだった。

自分は、シウバの残酷な衰えを感じた。
とにかくシウバが敵を殴れなかった。

後半に復調したのは、3Rのアクシデントのおかげではなかったか。
40歳で偉業を成し遂げてきたシウバ。とんでもない偉業だし、間違いなく絶対王者だった。

しかし、どんな言い訳があろうとドラッグ・コンテストに引っかかり、何よりシウバは今ベルトを持っていない。
シウバは、自らが挑戦者だと自覚すべきではなかったのだろうか。


対するビスピンのパンチがキレていて、コンディションが非常によさそうだった。

1R終了時、あるいはケージ際で、ビスピンはシウバの挑発を拒否した。
自分には決意が感じられた。

3R、マウスピースを吐き出してしまい、レフェリーとコンタクトを取る間、激しい飛び蹴りを受けた。

しかし、ビスピンは言い訳をしない。

どんな状況に追い込まれても、瞬時に受け入れていた。

3Rのアクシデント、それによるビスピンの消耗により、シウバは復調した。
そのシウバの拳を幾度と受けても前に出たのはビスピンだ。

シウバは自ら下がるビスピンを追いかけても、ケージを背負っては反撃できなかった。

今日の勝者は、自らの拳で道を打開したものではなかったか。



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第12試合 ミドル級

ゲガール・ムサシ VS ターレス・レイチ


予想:ゲガール・ムサシ

開始早々スクランブルを仕掛けるのはレイチ。ベストチョイス。
さっさとスクランブルの驚異を刷り込むことで打撃含める組み立てを優位に進めることができる。

しかし、ムサシのテイクダウンディフェンスが強固。

さらにそれ以降の展開はジャブワークで打撃フェイズをムサシが支配。
ジャブがうるさく効いては入れないレイチのタックルはもらわない。

さらにムサシのローが良く当たる。ムサシの大きなパンチは当たらないのだが、とにかくジャブがあることが大きい。


2R
距離を詰める選択をしたムサシへ、レイチはギアアップ。
ローや近距離の力強いフックはレイチ。良くも悪くも展開が変わるか。

ムサシは意を決して様な表情。何を意味するのか。
とにかくレイチのタックルが決まらない、ムサシがこれはすでに見切ったか。

距離が近いため、スクランブルをフェイントしレイチが強打を打てる。

ムサシもかなり強いパンチを打ち込んでいるのだが、レイチが打たれ強い。
おそらくムサシが力強く打ちこんでいるのは、KO勝ちで実力をアピールしたいのでは。

当然リスクを取る選択だが、自分は好きだ。
打ち合いでもムサシ優勢色が強くなっていく。

レイチの顔が腫れ上がっている、ムサシは本当に強くなったな。
元々うまかったが、より太くなった印象を受ける。


3R
レイチが勢いよく前出る。ムサシは応えるように迎え撃つ。
スクランブルをしかけるレイチはテイクダウンは捨て、自らボトムへ引き込む。

ポイントで負けている以上、ボトムを選択するリスクはないと見たか。
しかし組み立てられず立ち上がる。

立っている状態ではもはやムサシの独壇場。

ジャブは重く強烈になっていく。
しかしレイチが残り3分で前に出る、強いパンチが入っている。

ガスを使ったかレイチ、勢いは一時的ですぐに状況は良く見るムサシ優勢の状況。

残り1分半、トップはムサシ。レイチがもはや余力がないように思う。
ボトムから組み立てるのは厳しいから、立って殴った方がいいのでは。きついのだろうけど。

グラウンドトップでもムサシが良く動き、パウンドを落とす。
ラバーガードを仕掛けるレイチだが、時間がなく、間もなく終了。


勝者:ゲガール・ムサシ(判定 3-0)

レイチのハートも光るところがあったが、ムサシの強さが目立った試合だった。
負けを通じてより精悍さを増した印象がある。

立ち上がりから自己を客観視し、ムサシが着実に主導権のシェアを奪っていく流れが良く見えた。

落とせない一戦で決して簡単でない相手に文句のない勝利。
ファイターとして成熟期。

ホールやレイチはやはり実力では下。
次のファイトが非常に気になるが、ミドルのトップとやってほしい。


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第11試合 ウェルター級

トム・ブリーズ VS 中村K太郎


予想:中村K太郎

1R
両者慎重。K太郎が落ち着いている。
ブリーズへミドルキックを見舞うK太郎。

身長にブリーズの打撃を精査してスクランブルを仕掛ける。ここまで100点。
しかもテイクダウン、さらにマウントを取る。

ウソだろ? すごいぞ。
しかしブリーズが足を取りカウンター、エスケープ。ブリーズがグラウンド出来なかったら終わってた。

非常に長く鋭いパンチでK太郎を殴っていくブリーズ。
しかしK太郎は極めて対処が冷静、しっかり打ち返しスクランブルを仕掛ける。惜しくも離れる。

ブリーズの強烈なボクシングへかなり上手く殴っていくK太郎。
スクランブルの布石が非常に効いている。

おいおい、K太郎!!! すげえな!


2R
ブリーズは相変わらず素晴らしいパンチだが、スクランブル。
しかも再度K太郎がテイクダウンでトップ。しかしマウントから先と同じくブリーズが足をとって上を取る。

K太郎ほどのグラウンドを持つ選手がなぜトップを取って返されてしまうんだ?
グラウンドに疎いので本当に分からない。

残り2分、グラウンドでブリーズの足を取るが良いポジションを奪えないK太郎。
意外すぎる展開に唖然としてしまう。

スクランブルでK太郎、グラウンドでブリーズというのは本当に予想できない。
残り1分でK太郎がオモプラッタ。ハイレベルだな。

残り30秒、K太郎がネックロックを仕掛けるが、ポジションが悪いか。
残り10秒ハーフサイドはK太郎。

めちゃくちゃ緊張する展開だ。


3R
やはり、針に糸を通す時のような慎重な立ち上がり。
ブリーズがスクランブルを警戒して踏み込めない。

K太郎の方が余裕があるように見える。
やはり難なくスクランブルに成功するK太郎。なんて強いんだ。

テイクダウンを取るK太郎だが、またも足を取られてボトム。
しかしK太郎がスイープ。なんだこれ、息ができん。

残り2分をハーフトップから攻めるK太郎。
残り1分強で上はブリーズ。なんという静かで苛烈な試合だ。。。

バックにつくノースサウスのようなポジションでリバーストライアングルをセットするのはブリーズ。
これはタイト、極まらないにしても外せない。

これで終了。

判定どっちだ。。。
ちょっとK太郎の印象が悪いか。。。


勝利:トム・ブリーズ(判定 3-0)

30-27×2、29-28×1だったが、ラウンドごとの判定は極めて僅差だったように思う。

ものすごい試合だったように思うのは自分だけか?
K太郎はデキる、こいつはデキるぞ。ジンリャンってやっぱ強かったのか?

ブリーズのパンチをあそこまで封じられるのってそこまで難しいことじゃないのか?
それとも、K太郎のスクランブルを仕掛けるタイミングが絶妙なのか。

本当に分からないことだらけだが、唯一いえることは、これは格差マッチではなかった。

K太郎に対する期待がめちゃくちゃ高まった。


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第10試合 バンタム級

フランシスコ・リベラ VS ブラッド・ピケット


予想:フランシスコ・リベラ

1R
身長に大差なし。しかしローの差し合いはリベラが上手、ピケットのローは当たらず、リベラのローの精度が良い。

パンチの速度精度反応でもリベラだが、ピケットの強打に打ち合う気質で少々危なっかしい。
しかしピケットは被弾をものともしない。とにかくリベラの巧打を被弾する場面が少なくないが、涼しい顔で対処し前に出る。

ピケットのパンチも当たっているぞ。
というか、リベラの打ち返しやカウンターがクリティカル・ヒットするのに、ピケットが余裕で振り回して応戦する。
ここでリベラの最善でなく素晴らしいファイト・スピリットが顔を見せるので、随所で強打の殴り合いとなる。

リベラはハード・パンチャー当てると面白いな。ヒット&アウェイすれば盤石にいきそうだが、殴り合いを好んでいるのだろう。


2R
両者力いっぱい殴りつけるので、少々呼吸があらい。
残り3分でピケットの体が泳ぐようになったと感じたが、素晴らしいテイクダウン。
30秒ほどでリベラがエスケープ。

今度は両者被弾が少なくなる。多少減速しているか。
ピケットの方がパンチがキレてる、リベラの方がプレッシャーを掛け打撃を当てているようにも見えるが。

残り30秒でリベラが見事なレベルチェンジ。バックからスクランブルするが安定せず。
打撃フェイズではリベラが強打を当てるが、前に出たピケットがリベラへローブローの過失。

大丈夫だぞとリベラが会場を盛り上げる。
残り10秒で殴り合い、大きく会場が湧く。

試合とは関係ないが、なんか今回もスプリットの判定で蹴られそうだな。


3R
前に出るのはピケット。カウンターの精度が落ちているリベラにかなり良い選択。
そのままタックルを仕掛けるがテイクダウンに至らず、そのままスクランブル。

リベラがギロチンを取るが、ピケットは構わずテイクダウン。
うーん。。。

残り半分を残してスタンダップ。リベラは助かったが、ハーフガードで立たせるのが目立ってきたな。
ピケットがかわいそうでは。

今度はリベラがプレッシャーを掛ける。ポイントを取り返そうという心理が表れている。
リベラがテイクダウンするも安定せず。

やはりピケットがテイクダウン。残りの時間をトップで過ごす。
リベラは3Rは明確に落としたか。


勝者:ブラッド・ピケット(判定 2-1)

ダメだ。。。
本当に大きなマルチベットがスプリットで取れない。。。

ブックメーカーのブログでもあるので、こういう感想が先んじた。

ピケットにテイクダウンがあるのが大きかった。
リベラの気質は本当に理解していないとダメだな。


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第9試合 フェザー級

マクワン・アミルカーニ VS マイク・ウィルキンソン



予想:マクワン・アミルカーニ

ウィルキンソンのサークリングが軽快、アミルカーニがのそのそとした印象。

しかしアミルカーニがウィルキンソンのシングルに飛びつくと、難なくテイクダウン。
驚異的なトップコントロールでグラウンドゲームを支配。パスもスムーズ。

アミルカーニ、ここまで綺麗にグラウンドコントロールできるんだな。

長距離にしろ近距離にしろ、グラウンドでギロチンをトップから仕掛けられているときも、非常に強い膂力でトップを難なくとる。

ここまでテイクダウンの精度が良いと、打撃との相乗効果もデカい。
サウスポーから決して速くないストレートを当てて、本当に打撃はそこそこにテイクダウンが取れる。

素晴らしい。

3Rはガスがきつかったか、集中力が切れたか、少々トップから攻められるも結局ボトムからそのままトップを取り返す。

強かったなぁ。


勝者:マクワン・アミルカーニ(判定 3-0)


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第6試合 フェザー級

アーノルド・アレン VS ヤオツィン・メザ


予想:アーノルド・アレン

勝者:アーノルド・アレン(3R KO)

アレンが非常によかった。22歳か、これは今後に期待。
打撃とスクランブルで負けないので、少々精度がよくなくとも負けることはない。

メザがそこまで強いという感じでもないけど。
アレン打撃は力強いのだが、もう少し駆け引きなどが成熟すると上手くなりそうだ。

特によかったのがテイクダウン・ディフェンス。
反応も良いし、対処も非常に良い。

さらにカーディオと集中力が22歳のものではない気がする。
最後きっちり決めたのはハートが強い証拠。

これから注目の若手だと思う。


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第4試合 ライト級

ルスタン・ハビロフ VS ノーマン・パーク


予想:ノーマン・パーク

1Rはハビロフの速い打撃についていけないパーク。レフティのオーバーハンドも空を切り、スクランブルからスラムを食らう。

しかし2R、パークが積極的にプレッシャーを掛け、オーバーハンドと直線的なストレートを使い分けストライキング・ゲームを支配。
ただし、残り1分を切ったところでハビロフがテイクダウン。

3Rはパークが変わらず打撃で押し返されないタイミングでスクランブルを仕掛ける。絶妙なタイミング。
バックを取り攻めるが、半分以上の時間を残しハビロフのエスケープを許す。

今度はハビロフがパークをテイクダウンし、トップから印象的に攻めた。

勝者:ルスタン・ハビロフ(判定 3-0)


パーク悪くなかったが、少々スロースターターすぎたか。
左の使い方を2Rからアジャストするあたり、アライアンスの支持が上手。

しかしハビロフは速い打撃で序盤を押し、パークの打投の連携が回りだしてもやはりスクランブルで負けないのがデカい。

戦術で肉薄するも、やはり対局ではハビロフに及ばず。パーク惜しかったと思う。



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posted by nao_mma_ymt at 08:53 | Comment(6) | 試合感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月23日

感想 UFC Fight Night 83 「セラーニ VS オリヴェイラ」大会


UFC Fight Night 83 「セラーニ VS オリヴェイラ」大会

感想。

第3試合目で衝撃が起こり、がっかりして観戦に力が入らなかった。
感想は簡単にしたいと思う。


第13試合 ウェルター級

ドナルド・セラーニ VS アレックス・オリヴェイラ


予想:ドナルド・セラーニ


注目の立ち上がり。広く構えるオリヴェイラよりややセラーニの頭が高いか。

戦前の予想通り、セラーニは長距離戦が本領でない。

オリヴェイラのリーチとワイルドな打撃に手を焼く。
純粋なキックボクシングであれば前へ打ちに出てもいいのだろうが、オリヴェイラのスクランブルを警戒する以上、前に出るも得策ではない。

オリヴェイラの前戦の感想でも言及したが、オリヴェイラの打撃は綺麗ではないのだが、セラーニに対しても十分な圧力を発揮している。
予想以上にセラーニが苦戦しそうだと見た。

しかし、下がりながらオリヴェイラの打撃の調子があがってきた矢先、セラーニの選択したコンタクトは、レベルチェンジ。

テイクダウン後、秀逸なポジショニングで短時間で相手のガードをパスするとトップからトライアングルをセット。
セラーニはしばしば見せる柔術が非常に力強いことが思い出された。

オリヴェイラがリバースし、セラーニはボトムになるもセットされた三角はめちゃくちゃタイト。
オリヴェイラの左腕が外側にあるにも関わらず、数秒でタップ。

早いタップにハーブ・ディーンが気づくより先に、セラーニ自身が指を指してオリヴェイラを保護しろと促す。


勝者:ドナルド・セラーニ(1R 三角締め)


セラーニの冷静なファイトと自信に惚れ惚れしてしまった。

オリヴェイラとしては相性の悪くないだろう格上を飲み込むチャンスで、かなり良いテンションで臨んだ試合だったはず。
まるでそれを透かすように、無言で最適な組み立て。

相手の土俵に全く応じず、レベルの違いを見せつけた。

セラーニの強さを再確認。
確固たる自分のペースを感じた。

だからこそ接戦や劣勢から強豪を打ち破ってこれたのだと思う。


また違う視点から。

自身の哲学や確固としたスタイルを自身で理解しているセラーニ。
先日負けてしまったノースカットへ大きく深い激励送る姿から、将来かなり優秀な指導者になるのではないかという予感がする。

アンジョスにはあのように負けてしまったばかりだが、評価の回復は順調だ。
ライトで強敵をほとんど倒してしまっているため、ウェルター級で新たなサービスをと考えたのだろうが、どこにでもいつでも需要があるのではないか。

ディアス兄弟や対マクレガーなど、話題性のあるマッチングでどんどん勝ってもらいたい。



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第12試合 ミドル級

デレク・ブランソン VS ホアン・ジュカオン



予想:ホアン・ジュカオン

ブランソンが長距離からジャブなどで攻めていくと、ジュカオンは大きなフックからタックル。
ジュカオンそのまま下になってブランソンが長時間パウンドで攻め、そのまま終了。

勝者:デレク・ブランソン(1R パウンド)

ブランソンってどういう選手かいまいちつかめず、今回注目しようと思っていたのだが、やはりこの試合でもよく分からない。
しっかり仕留めているので攻撃力はバッチリだろう。



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第11試合 バンタム級

コーディ・ガーブランド VS アウグスト・メンデス



パウンドアウト期待のガーブランド登場。

しかし予想の記事で相手のメンデスに対して多くのコメントを頂いた。
タンキーニョというニックネームを持ち、柔術の世界王者だそうだ。

戦績は全勝判定なし、しかも1つのKOの実績も。

コメントを下さった方によると、打撃センスも良いとのこと。
これは強豪だろう。


予想:コーディ・ガーブランド

まずはタンキーニョに注目。打撃ディフェンスが良い。
打撃ディフェンスが悪いと「飛び込んで振り回してスクランブル」という柔術家は多いが、ガーブランドの打撃をよく見ている。

打ち返しや迎撃にアジリティを感じる。良い選手だ。

しかし、それ以上にガーブランドの打撃がおかしな進化を遂げている。
それまでもボクシングでは超絶技巧の「巧いパンチ」を見せていた印象だが、信じられないほど打撃がソリッド。

めちゃくちゃ速度があり力強い。
そのバックボーンからタックル&ストライキングというポテンシャルを持っていたが、明らかにストライカーのエキスパートとしてへ成長している。

スクランブルを許さないスタイルで、うまく戦うタンキーニョを寄せ付けない。

相手の右足前に出たのを見て、おかしな速度で肘を伸ばした右フック、左フック、右フックという攻撃を見せる。
最後の右フックがビッグ・ヒットし、タンキーニョは戦闘不能へ。

レフェリーのマリオが止めるか否か迷っているので、パウンドをいくつか落とすとこりゃあかんと止めてくれた。


勝利:コーディ・ガーブランド(1R 右フック)


なんだこのガーブランドは。
去年ベスト・ストライカー・ランキングなる記事を遊びで書いてみたが、今日のガーブランドのストライカーとしての印象はUFCトップ5には余裕で入りそうな印象。

上にいるのはマクレガーくらいではないか?

相手がジョン・リネカーだろうとトーマス・アルメイダだろうと、自分は余裕でガーブランド予想。

あとはスクランブル以降の展開の底が割れたら大体評価が落ち着くと思う。
今回その可能性もあったが、さっさと決めてしまったな。



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第10試合 フェザー級

デニス・バミューデス VS 川尻達也



予想:川尻達也

総合力ではやはりバミューデス。
しかしスクランブルやポジショニングと一点で川尻に勝機あり。

1Rは川尻が出力し、強力なスクランブルで優位なポジションから攻めた。

2R以降、バミューデスの打撃を効果的に殺すことはしたものの、残りのガスでバミューデスが勝り、川尻のポジショニングを許さなかった。
2,3Rは確かにスタンディングではうまく戦ったのだが、得意のスクランブルで余力がなくバミューデスがずっといいポジションを取っていた。


勝者:デニス・バミューデス(判定 3-0)


川尻の、長距離は大きくトリッキーな打撃で散らし、迂闊に近づけない印象を与え、掻い潜ってきた相手へスクランブルというのは本当に良い戦術だと思う。
しかしスクランブルが一縷の望みであり、ここを進むしかない川尻はガス配分がしにくいのだろう。

長距離でトリッキーな打撃、近距離スクランブルはそれだけで強力。
しかしスクランブルでガスの消費が必須である場合、長距離打撃とスクランブル以外にバリエーションがあっても良いと思う。

打ち合いを避けるのは目の問題だろうか。
近づいてきた相手をパンチで迎撃するともっと戦い方が広がったのかなとも思う。

1Rを盤石にとったのは流石だが、本当に残念だった。


川尻がやめるかどうかは本人が決めること、なんて当たり前のことを言うつもりはない。
そんなファンなどいない。

どちらにしても、惜しまれて欲しい。

だから自分は言う。
再挑戦だろ! だって1R取ってんだもん。


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第9試合 ミドル級

クリス・カモージ VS ジョー・リッグス



予想:ジョー・リッグス

開始早々カモージの右がリッグスへヒット。組んで膝を連発するカモージ。
10発くらいあったか、倒れてKO。


勝者:クリス・カモージ(1R 膝蹴り)


リッグス過小評価かな、と思ったけど、打撃が見えていないな。
レスリングで前回相手に上回ったので、レスリングができれば勝てると踏んだが。

打撃ができなければレスリングができない。
リッグスはファイターとして激しく消耗をしている印象を受けた。



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−他


ストリックランド VS ガルシア

ガルシアがバテバテ。
もう少しできると思ったけど、ストリックランドはカーディオよかったんだな。

ツイッターでガルシアの体が縮んでいるとのコメントを頂いた。
確かにあるのかな。



サラフィアン VS バンブーシェ

バンブーシェの動きがめちゃくちゃよかった。
あとサラフィアンはいつも過大評価だとのツイッターでコメントも拝見。

納得。



スミス VS アウグスト・レレコ

両者はUFCレベルではないような気がするな。
次戦は逆の相手を予想するのが良いと思う。



ウェッブ VS コーイ

大きなベットを負担させたウェッブ。

長距離でもレスリングでもいいのだが、仕掛けを失敗してボトムになることがしばしば。
そこで削られて2,3Rもはやスクランブルで戦えていない。

体力がないならスクランブルいくのは得策ではない。
むしろ長距離で勝っているのだから長距離を維持すべき。

全然あかん。



ルノー VS エヴァンス−スミス

1Rはルノーが右ストレートを当て、引き込みギロチンから後ろへ相手をころがしトップから極める。
しかし、R終了。

2,3Rは基本的にルノーが効果的なローキック、たまにパンチ、エヴァンスはミドル。
判定へ。

基本的にはルノー優勢、スミスは悔しいか、泣きながら判定を聞く。

そして判定は、
ルノー支持は一人。29-28。
他の二人はスミス支持でなんと、30-27、29-27。

まるで理解ができない。
MMA Decisionsでも、ただ1サイトを除いては全て30-27、29-28のルノー支持。

MMA MANIAは世界最悪の判定とツイート。

自分は、本当にジャッジが名前を逆につけてしまったのではないかと思っている。
もし本当でもミスが衝撃的すぎて、これはこういう判定なんだと言った方がいいのかな。

ちなみにブックメーカーでは後日裁定が覆ろうが、ブルース・バッファーのコールがすべてだ。
勘弁してくれ。



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第1試合 ヘビー級

シャミル・アブドゥラヒモフ VS アンソニー・ハミルトン



予想:シャミル・アブドゥラヒモフ

リーチが長いのがハミルトンだが、ボクシングでアブドゥラヒモフがいい。
ウィービングや接近戦でのパンチがスムース、上手なバックスピンキックも見せる。

スクランブルでもアブドゥラヒモフがアッパーで主導権を握る。
序盤で結構タフなパンチをまとめたが、ハミルトンの出力は取り除けず。

ハミルトンはレスリングで対抗すべきだが、容易ではなさそう。
むしろレベルチェンジをたまに見せるのはアブドゥラヒモフで、より有利なコントロールを心がけているのが見える。

3R開始早々にハミルトンが大きなストレート、アブドゥラヒモフが額の上を大きくカット、右目に血が滴る。
有利な展開を維持しディフェンシブに戦うとき、この流血はかなりリスキーだと思う。

しかし大事なく、結局戦局は変わらず。終わってみれば盤石な試合運び。


勝者:シャミル・アブドゥラヒモフ(判定 3-0)



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posted by nao_mma_ymt at 05:17 | Comment(8) | 試合感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月09日

試合感想 UFC Fight Night 82 「ヘンドリクス VS トンプソン」大会

2/7(SUN / 日本時間) UFC Fight Night 82 「ヘンドリクス VS トンプソン」大会

以下、試合感想です。


第12試合 ウェルター級 5分5R
ジョニー・ヘンドリクス VS スティーブン・トンプソン

予想:スティーブン・トンプソン


トンプソンの方が距離が長く、サウスポーに構える。
相手の真横を向くように、前傾した姿勢。

対するヘンドリクスは、距離が短いがテイクダウンのプレッシャーを楯に前に出る展開。

とにかくスクランブルに注目。


試合が始まると、トンプソンが効果的にステップと長い打撃を振るうが、スクランブルは時間の問題だろう。
しばらくすると、やはりヘンドリクスが金網際でトンプソンを捕まえスクランブル。

ヘンドリクス、やはりプレッシャーの掛け方がうまい。

ここでトンプソンがどれほどできるかだが、結構がっちり組まれていて、ヘンドリクスのテイクダウンに尻餅をつく。
やはり厳しいか、削られてしまうか、と思ったが、すぐに立ち上がりヘンドリクスをはじいてしまう。

膂力の続く序盤としてはここでテイクダウンをディフェンスできることがワンダーボーイとしては最低条件だろう。


しかし、驚くことにこのあと一度もスクランブルを許さなかったのがワンダーボーイ。

長距離のサイドキックやワンツーを攻撃の軸とし、ステップワークでヘンドリクスのスクランブルをかわしまくり。

これには本当に驚いた。


ヘンドリクスは弾幕に手が出ず、これをかわして前に出てもサークリングで逃げられる。
しかもワンダーボーイの打撃の精度が非常に良い。

足が遅く長距離の攻撃を持たないヘンドリクスは早々に詰み。
しかしあそこまでフィジカルの強いヘンドリクスがここまで早く手詰まりになるとは。。。


タフなはずのヘンドリクスだが、続けざまにきれいな強打を浴びるとたまらず崩れる。


勝者:スティーブン・トンプソン(1R KO)


ここへ来てトンプソンが完全に羽化。

結果論だがヘンドリクスが長距離の打撃を持たないという相性もあっただろう。

それでもこの盤石性は目を見張るものがある。

「スクランブルはさせない、とにかく回避」
これは堀口恭司にも言えることが、1にも2にも足運び。

蹴りのある伝統打撃格闘技のもの。

まずオクタゴンの中央では横構え、そして前傾。
横構えの弱点は裏腿をさらすローへの被弾だが、前傾でパンチカウンターでこれに備えている。

トンプソンは前傾姿勢をスウェーさせることでディフェンスの距離を稼ぐ技術も見せている。
これはボクシングで良く見られ、ロイ・ジョーンズやメイウェザーが好んで使う技術だ。

まず相手の接近は、この横構えから出される非常に距離の長い蹴り技ではじく。
前足のサイド・キックやフック・キックが初動から着弾までとにかく短く、体重が乗るので、文字通り相手を遠ざける。

被弾しても前進できたりウィービングのみで躱されるジャブより対スクランブルに向いている。

さらに、フック・キックの重要性。サイド・キックのみだとキャッチされる恐れがある。
フック・キックとサイド・キックの軌道は途中までほぼ一緒で、この二択を完全に読み取りキャッチするのは不可能だろう。

バックステップなどで回避したほうが良いはず。

また、長距離からタックルを狙っても、この前傾姿勢はそれに備えている。


もう一つは、徐々にプレッシャーを掛けられ金網に追い込まれたときの対処。

この時横向きの構えでなく、野球の外野手のようにやや足を開き真正面を向く構えとなる。
これはサイド・ステップ、サークリングに特化した構え。

横向きだとサークリングの速度が遅くなる。

相手に正面をさらすことは急所をさらす行為だが、サークリングの使える選手はこの限りではない。
長時間さらすわけでなく、広い場所へ逃げたらすぐさま横構えとなり、長距離砲の準備をする。

正面を向くサイド・ステップは、顔面へのパンチ及びスクランブルを許さない。シングルを取らせない効果もある。

有効な攻撃は下から跳ね上げるようなハイ・キックや、ボディへのパンチなどだが、ここに対してトンプソンのカウンター・ストレートは速く、これに備えているように思える。


トンプソンめちゃくちゃよかった。
2016年は堀口含め、本当に伝統空手の年になるのでは。

最もオクタゴンに適した足運びだと思う。
10年後のUFCの打撃のスタンダードは伝統空手になると予想。



第11試合 ヘビー級

ロイ・ネルソン VS ジャレット・ロシュホルト

予想:ロイ・ネルソン


とにかくネルソンレベルのプレッシャーに対してはロシュホルトがタックルやスクランブルを仕掛けられない。
打撃の距離でとにかく負けている。

ロシュホルトのようなタックラーは、サークリング&ロー、バックスピンフィスト、アウトボクシングでのらりくらりと戦った方がいいと思う。

相手が焦れて出てきたときにタックルでカウンターすればいい。

川尻やデメトリアス・ジョンソンなんかはコレ。

ロシュホルトはプレッシャーゲームだけではこれより上は勝てないな。


ネルソンからしたら、ロシュホルトくらいはサクっと勝てなければという試合だったのでは。
とにかくスクランブルを許さなかった試合。

おそらくスクランブルになってもロシュホルトは厳しかったと予想。


勝者:ロイ・ネルソン(判定 3-0)


ちなみにリアルタイムでツイートしたのだが、マルチを組んだスペンサーが負けた時点でネルソン1.709倍@ピナクルに30unitをベットしている。

ネルソンの勝ちがカタいと思われたので、ここで回収しないのはもったいないと思いいたり実行。



第10試合 ライトヘビー級

オヴァンス・サンプレー VS ハファエル・フェイジャオン

予想:ハファエル・フェイジャオン


フェイジャオンがサンプレーの打撃を許さず、強烈なローで効果的に攻める。
ある程度予想が当たったと喜んでいたのだが、足をひきずるサンプレーにフェイジャオンがローを打たなくなる。

というか一切の打撃を出さなくなる。

ちょっとフェイジャオンのやりたいことが全く理解できなかった試合。

誰か解説できる方を求みます。


サンプレーの打撃の驚異があったなら理解できるが、なかったと思う。


勝利:オヴァンス・サンプレー(判定 3-0)




第9試合 フライ級

ジョセフ・ベナビデス VS ザック・マコウスキー

予想:ジョセフ・ベナビデス


ベナビデスやっぱ強い。

マコウスキーは前戦でドッドソンに勝っていたと思ってたので、このオッズってどうなのって思っていた。

しかしベナビデスはマジでジョンソン以外に負けない強さだ。
ジョンソンが同じ時代にいたことを呪うべし。

セフードにも負けないだろう。


勝者:ジョセフ・ベナビデス(判定 3-0)



第4試合 フライ級

レイ・ボーグ VS ジャスティン・スコギンズ

予想:ジャスティン・スコギンズ


戦前の予想通り、スコギンズが距離を支配。
さらにスクランブルでも競り勝ち、グラウンドでも良いポジションを取り続け完勝。

まったく危なげのない勝利。

めちゃくちゃスカっとした試合。
多く書く必要はないでしょう。

スコギンズも伝統空手。
2016年は、とにかく伝統空手に注目。

彼らの足運びはもはやオクタゴンにおいて最適化した。


勝者:ジャスティン・スコギンズ


オッズが低い=賛同が得られない、少数派の仮説。
仮説は仮説。

パウンド・アウト史上最大のベット高、最大の配当高となった試合だったが、とにかくほっとした。

スコギンズは絶対来ると思う。
長距離と密着戦を支配するものが最強。デメトリアス・ジョンソンが証明し続けてきた。



< 他 >

× スペンサー VS パイル ○

パイル頑張ったな!
スペンサーいけると思ったが惜しかった。

パイルがとにかくファイターの鑑。
やはり40でディフェンスが悪くなっていて、打撃の速度も落ちている。

しかし威力や闘志は健在だったようだ。
拍手。


× ロボフ VS ホワイト ○

ロボフやっぱりうまくいかないなぁ。
今度こそロボフいけると思ったベッターもいるのでは。

ちなみにロボフが来ていたら、MMA MANIAは大きなプラス収支だった。
ロボフがいけなかったので、少しのプラスで終わってしまった。

もったいない。


○ バークマン VS ヌーンズ ×

ヌーンズもフェイジャオンと同じ。
何もできなかった。


× グラボフスキー VS ルイス ○

ルイスやってくれた。笑。
グラボフスキーが意外ともろかった試合。

ルイスは今後のヘビー級で期待できるという感じでもないのだが、結構勝ってしまっているな。



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2016年02月01日

後半感想(第10〜13試合) UFC on FOX 18 「ジョンソン VS ベイダー」大会

UFC on FOX 18 「ジョンソン VS ベイダー」大会

試合感想 後半(第10 〜 13試合)


第13試合 ライトヘビー級

アンソニー・ジョンソン VS ライアン・ベイダー



予想:ライアン・ベイダー


両者距離を維持しつつ、勢いよくオクタゴンの中央へ。
アンソニー・ジョンソンは相手の出方を見るタイプ、足を止める相手には驚異的な距離と威力と速度の右のオーバーハンドを見せるが、ベイダーの出方に注目。

ステップが非常に細かく、トップギアを感じさせるベイダー。
長距離でどのように戦うか。

すぐに遠くから飛び込むようにシングルを取りに行くベイダー。
ちょっと無理があるのでは?

距離が遠く簡単につぶされる。

揉み合い、マウントトップを取るのはジョンソン。しかし、ベイダーが腕がらみを狙っている。
マウントのボトムから腕は取れないぞ。どうするか。

ジョンソンは難なく外すとパウンド、下を向いたベイダーへバックマウントからフルボッコ。

足をばたつかせると、レフェリーがたまらずベイダーを保護。


勝者:アンソニー・ジョンソン(1R TKO パウンド)


−感想

ツイッターでベイダーびびってたんじゃないか、と思わずつぶやいたが、コーミエもベイダーが最初からジョンソンを恐れていたとコメント。

そうだろうなぁ。

ジョンソンは打撃のプレッシャーがあるから、フィジカルを生かし相手のスクランブルをはじける。
コーミエはぶん殴られても果敢に打撃で立ち向かい、テイクダウンを取った。

この手の相手にリスクを取らずしてテイクダウンを仕掛けるのはジリ貧。

ビビッていた証拠は、打撃のプレッシャーを感じる前から逃げのタックルへ行ったこと。
これでは勝てない。

本当に意外だった。

ベイダーだってオクタゴンのトップファイターだ。
ジョンソンの相手は荷が重かったということだろう。

少しがっかりしたが、しょうがないのかな。


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第12試合 ヘビー級

ジョシュ・バーネット VS ベン・ロズウェル



予想:ジョシュ・バーネット


1R

スイッチングをしながらプレッシャーを掛けるのがロズウェル。体重差は10kg、ロズウェルやはりでかい。
ウォーマスター・バーネットは距離を保ちながら、自身もスイッチング。

ジャブワークはバーネットが上、背の高い相手にうまく差し合っている。ロズウェルは痛いだろうがものともしない。
ローキックは重く長いロズウェルが優勢、バーネットはジャブの差し合いを崩されるので、鬱陶しそう。

ロズウェルはじりじりとより、プレッシャーを楯にかなり丁寧に打撃を置いている。
これはかなりジョシュにとってタフだが、ディフェンスワークが良くうまく対処していると思う。

ジョシュの打撃がポイントポイントでパチンと綺麗に入るのだが、ロズウェルの打撃の方が重く、スクランブルや打ち返しを嫌がるジョシュより連打を放てている。

どちらのダメージが先に蓄積するかの戦いか。


2R

同じような展開だが、ロズウェルとバーネットの打撃がより強くなっていく。
徐々に徐々に激化しているだろう、決着までの展開の加速を感じる。

どちらも丁寧に戦いながら、被弾と攻撃を繰り返すので、神経をすり減らすような戦い。
しかし、ジョシュのが消耗しそうか。

ロズウェルの右ジャブがかなりパワフルになっていき、ジョシュの顔面をとらえていく。

ジョシュはたまらず下がりながら、シングルを取る。ナイスチョイス、さすがウォーマスター。
テイクダウンと寝技がさく裂するぞ。

と思いきや、ロズウェルがジョシュの首を捕まえ、ディフェンス。
忍者チョークのカタチか。

金網にガッチリと両足の裏を付け、相手の首をひねりジョシュの背中をグラウンドにひっくり返す。
なんつーパワーだ。

そのままなんとジョシュがタップ。
あのジョシュからタップアウトを奪うとは。。。


勝利:ベン・ロズウェル(2R ニンジャ・チョーク)


−感想

ジョシュは人生初のタップアウト負けだという。

ロズウェルのうまさと言うのは自分はピンと来ていなかったが、今もすごくうまいという印象には見えない。
ただし、非常にクレバーな戦い方を見せてもらった。

特にジョシュ相手にタップアウトをきっちり取ったのは特筆もの。
相手を恐れていない証拠だ。

ジョシュはプレッシャーを掛けたり避けたりする心理戦は長けているという評価だったが、ロズウェルのハートはそれを上回った評価。

ロズウェルが期待される理由が少しわかった気がする。

ジョシュ自身体格を生かした闘いが多かったが、オクタゴンではそれはもはや長点とは言えなくなったなぁ。
ヘビー級で110kg級は最低限必要な体重かも知れない。

それでもネルソンなど、うまく勝ってきたが、やはり苦戦していたと思う。

ロズウェルの次戦に期待。


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第11試合 バンタム級

ジミー・リベラ VS イウリ・アルカンターラ



予想:イウリ・アルカンターラ


3R通じてスタンディング・ファイト。

背が高いサウスポーのアルカンターラに対し、リベラがステップインと連打で入り込む。
アルカンターラは迎撃の右ジャブ、打ち返しの左ストレートなどで応戦する基本的に単調な展開。

リベラが右ジャブと左ストレートに有効に対処し、有利を維持。という内容。


勝者:ジミー・リベラ(判定 3-0)


−感想

アルカンターラが背の高いサウスポーのため、ストライキングで勝るとの評価をしていたのだが、とにかく先手を取られるのがよくない。

ジャブも左ストレートも先手を取っていけば、プレッシャーを掛けられるのに、リベラを迎え撃つ姿勢が良くない。

リベラは入るか入らないかの二択を行え、相手をコントロールできる。
リベラにとってはやりやすい試合だったと思う。

アルカンターラは行き当たりばったりの感が否めず、それでもリベラには優勢を維持できると思ったが。。。

バンタムで恵まれた体格なアルカンターラだけにもったいない。
毎回もったいない試合なのだが。。^^;



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第10試合 ウェルター級

セージ・ノースカット VS ブライアン・バーバリーナ



予想:セージ・ノースカット


1R

ノースカットは(本来の)ライト級でも非常に大きい方だが、バーバリーナも大きい。
サウスポーはバーバーリーナ。

ノースカットは飛び込みが非常に良く、空手家らしい追い足。距離が長い。
前足の掛け蹴りも見せる。

速いワン・ツー・スリーから首投げでサイドを取るも、リカバリーが早いのはバーバリーナ。
スクランブルから再度スラムするノースカットで、そのままバックを取るのだが、バーバリーナが超落ち着いている。

対処に無理がなく焦りもない。MANIAもバーバリーナの予想だが、これはもしや経験の差がでるか。。。


ノースカット膂力が非常に良い。スクランブルしたら必ずテイクダウンする。
ただし、バーバリーナは絶対に背中をつけない。詰めが甘いかノースカット。

バーバリーナがプレッシャーを掛ける。
ノースカット弱気か、下がるようになる。右ストレートとタックルを全く連続させてのカウンター。
素晴らしい動きのノースカットだが、バーバリーナは焦りなし。

息を切らすノースカット、スクランブルを仕掛けるのはバーバリーナでテイクダウンが難ない。

これは出力コントロールに差があるか。


2R

プレッシャーは相変わらずノースカット。動きは早いが読まれやすいか、空振りの後に非常に隙が多く、打ち返される。

ノースカット大きな右フックのあとそのまま倒れ込みながら回転蹴り。威力はない。
しかしバーバリーナは意にも返さず、グラウンドへ追いかける。

ガードトップからはバーバリーナが攻める。
ノースカット厳しい時間。スタンディングで殴れない、テイクダウンも安定しない。ノースカットに残された道はあるか。

バーバリーナが片足をパス。ノースカットはエスケープ弱いかも知れない。
ハーフサイドのままバーバリーナが肩固めを仕掛けると、間もなくタップ。

あっけない幕引き。


勝者:ブライアン・バーバリーナ(2R 肩固め)

−感想

期待のノースカットがまさかの負け。

予想していた人もいるが、人気が先行しすぎたか。
局所的には速度膂力ともに上回りながら組み立てで粗すぎたか。

ノースカットはプランAのみを持っていて、殴る、倒す、殴る、というファイター。
ここで殴れない、倒せない、となると途端に道が無くなったような気がする。

バーバリーナは、対処、対処、対処、自分の組み立てはじっくりプラン通りに、という感じ。

ノースカットにとっては良い経験になったのでは。


ノースカットはここでプライドに火をつけるか、自己の大きな大きな才能に見切りをつけるか、結構大事な分岐点かも知れない。
ノースカットが自己を信じぬけば、必ず明るい未来が待っているだろう。

まだ19歳。UFCのおっさんどもを全員ぶっ飛ばせるように期待。



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2016年01月31日

前半感想(第1〜9試合) UFC on FOX 18 「ジョンソン VS ベイダー」大会

UFC on FOX 18 「ジョンソン VS ベイダー」大会

感想(前半 第1〜9試合まで)

後半(第10 〜 13試合)は後にUPします。

第9試合 ウェルター級

タレック・サフィジーヌ VS ジェイク・エレンバーガー



予想:ジェイク・エレンバーガー

1R

サウスポーでリーチが長いのがサフィジーヌ。
サフィジーヌがやりやすそう。左ミドルと右ジャブで安全圏の確保が容易。

エレンバーガーの仕掛けたスクランブルは、強烈な膝で対応。
サフィジーヌが相手をよく見ていて、コンパクトな左ストレートがエレンバーガーを捉える。

エレンバーガーにとっては厳しいファイト。
ジャブなどの弾く攻撃が非常に良いため、エレンバーガーが前に出るタイミングを精査している。

そのため、ミドルなんかが蹴りやすいサフィジーヌ。

だが、スクランブルの離れ際にエレンバーガーのビッグ・ショット、右フックだ。流石熟練の選手、狙い方が堂に入ってる。
サフィジーヌがぐらつくが、すぐに立て直す。

局面は依然とサフィジーヌが距離を取るもの。


2R

慎重に前に出てウィービングするエレンバーガーへ、右のショートフックを的確にねじ込むサフィジーヌ。
神経すり減らす試合だ。

エレンバーガーだが、サフィジーヌがスイッチングをはじめたのでやりづらさが増したよう。

サフィジーヌはサウスポーで左ハイorミドル、オーソドックスでは右ローと蹴り分ける。
エレンバーガーの八方が塞がっていく。

エレンバーガーがプレッシャーを強めていき、とうとうテイクダウンするがすぐに立たれる。
手数の少ない試合。


3R

同じ展開だが、サフィジーヌがプレッシャーを強めてきた。
理由は左ミドルやハイが良く当たりはじめてエレンバーガーが下がりだした為。

しかし、サフィジーヌが深追いせず。

もつれこんだグラウンドではサフィジーヌがバックをとり攻撃させない。
離れるも残り10秒。

エレンバーガーに何もさせなかったのはサフィジーヌ。

勝者:タレック・サフィジーヌ(判定 3-0)


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第8試合 ライト級

オリヴィエ・オウビン・メルシェ VS カルロス・ディエゴ・フェレイラ



予想:オリヴィエ・オウビン・メルシェ

1R

左がメルシェ。メルシェが距離が長い。
距離の長いサウスポーにどう攻めるかフェレイラ。

メルシェの左ミドルが良い。
しかしフェレイラのプレッシャーが強くメルシェがうまくは対処できていない。

ほとんど拮抗した展開


2R

距離を取りたいメルシェだが、蹴り足をキャッチされうまく長距離を支配できない。
プレッシャーを掛けるフェレイラだが、スクランブルはメルシェ。しかしテイクダウンには至らない。

あるいはテイクダウンをしてもフェレイラがすくに立つ。

どちらかというと攻めているのはフェレイラ。長距離の攻撃をうまくかわし、前進し攻撃している。
しかしメルシェの右アッパーがよく当たるようになる。

ここで打開できるか。メルシェの攻撃が生き生きとしてきた。散らしが機能し始める。
対するフェレイラは押し負けぬよう手を出すのがグッド。


3R

相変わらず拮抗した打撃の中で、メルシェの前の手のアッパーが良い。
とうとうタックルからフェレイラをテイクダウンするが、これもすぐ立たれる。

再度例のアッパーからテイクダウンを連携するが、上を取ったのはフェレイラ。
柔術はフェレイラの土俵。バックからフロントから、チョークやらパウンドやエルボーを仕掛けていく。

極めることはできなかったがフェレイラが攻め続けた。

勝者:カルロス・ディエゴ・フェレイラ(判定 3-0)


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第7試合 ミドル級

ハファエル・ナタウ VS ケヴィン・ケイシー



予想:ハファエル・ナタウ

1R

サウスポーはケイシー。
ゆっくりとしたプレッシャーはケイシー。大きなショットを狙っている。

ケイシーが左ストレートをナタウが走るようなタックル、しかし切られる。
ケイシーの動きが次第に落ちていくと、ナタウがテイクダウン。

30秒となく立つ。再びテイクダウンを試みるナタウだが、上になるのはケイシー。
これもすぐ立つ。

最後にケイシーが良いパンチを当てて詰めると、ナタウが右フックで反撃しヘイスがダウン。
同時にホーン。


2R

ナタウが打撃とスクランブルとグラウンドで勝る展開。
ケイシーははやガス欠か?

打撃で一発当てるしかなさそうだが、疲れてる選手はスクランブルを許すのでそれが難しい


3R

プレッシャーはケイシーなのだが、やはりナタウのテイクダウンを防ぐガスがない。
ガスがない選手はグラウンドでも戦えない。

ナタウがフルマウントからパウンドを落とすとレフェリーが止める。


勝者:ハファエル・ナタウ(3R TKO パウンド)


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第6試合 フライ級

ダスティン・オーティス VS ウィルソン・ヘイス



予想:ダスティン・オーティス

1R

サウスポーはヘイス。
オーティスのステップイン&右ストレートが超ステルスで美しい。

至近距離ではヘイスの左右のフックが非常に良い。
両者機動は多くなく、足を止めてコンタクトを好むよう。

スクランブルはオーティスが非常によく対応するが、ヘイスが怪力。
大事に至らず離れる。

打撃戦はヘイスが少々押しはじめたか。
スクランブル以降テイクダウンしたのもヘイス。


2R

至近距離でヘイスの左がオーティスの顔面をとらえる。
オーティスがタックルを仕掛けるが、ヘイスがスプロール。

ヘイスがタックルからスクランブルを仕掛ける、ここで常に分が悪いオーティス。
離れる。

打撃戦ではまだまだ互角で、徐々にオーティスがタックルを仕掛けるようになってくる。
しかし膂力ではヘイスが強い。

オーティスのキックをヘイスがキャッチしテイクダウン。
バックフルマウントを取るヘイス。残り1分。時間は十分。

残り10秒はヘイスがアームバーをセットするが、対処され時間切れ。


3R

スクランブルからバックを取るのはヘイス。ここは対処されるもテイクダウンはヘイス。
バックをを綺麗に取る。これはオーティスが詰んだか。予想外だ。

離れての打撃戦は互角。しかしスクランブルで勝るヘイスがとにかく有利。

その後スクランブルが多くなり、グラウンドとスクランブルでヘイスが上回る。
途中バックを取ることに成功したオーティスも一瞬の出来事。

このまま攻め続けられ、ヘイスの優勢のまま試合終了。


勝者:ウィルソン・ヘイス(判定 3-0)


−感想

スクランブル以降、ヘイスがやるのは予想できるが、ポイントは打撃戦か。

これはやはり右対左の影響だろうか。
右ストレートが非常にいいオーティスだが、なぜここで組み立てられなかったのだろう。

対するヘイスは左右のフックで応戦、ここでいくつかもらったオーティスがスクランブルに積極的になったとみている

ここは長距離を保てばよかったのではないか?

うーん、自分の評価眼のなさにがっかりした。


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第5試合 ウェルター級

アレクサンダー・ヤコブレフ VS ジョージ・サリバン



予想:アレクサンダー・ヤコブレフ


1R

サウスポーがヤコブレフ。そこまで身長差はない。
前足でローを放っていくのはサリバン、非常に良い。

ヤコブレフは後ろ足のミドル、ローで応戦しながら、サリバンの蹴り足をキャッチ。
テイクダウンするもサリバン立つのが早い。

しかしヤコブレフ、バックステップをローを出しながら追ってきたサリバンを綺麗にカウンターのタックル、テイクダウン。
今度はサイドからバックまでグッド・ポジショニング。立ち上がるもバックからはどかない。

長い時間ではなかったが、ここで離れる。

ヤコブレフがスタンディングでワン・ツーを放つとサリバンの顔面へ綺麗に当たる。
落ち着いてパウンドを落とすとレフェリーが止める。


勝者:アレクサンダー・ヤコブレフ(1R KO)


−感想

ヤコブレフかなり安定していていいファイターだ。

最後のワン・ツーをピックアップ。
実際には、「ツー・ツー」の打撃。

左ストレートをだし、左を足を少し前に出しながら(=スイッチ)右手でストレートを出すというもの。

この右がズシリと決まり、サリバンは対処不可能へ。


ヤコブレフの今後に期待。


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第4試合 フェザー級

アレックス・カセレス VS マシオ・フレン



予想:マシオ・フレン

1R & 2R

基本的にカセレスがプレッシャーを掛け、打撃を出していく展開。
フレンは局面的にか反撃できず、カセレスはほとんど意に介さない程度。

テイクダウンもなく打撃で負けているので、ほとんど詰んでいる。
フレンが何を見せるか。

3R

勝者:アレックス・カセレス(判定 3-0)

−感想

とにかく打撃でフレンが勝てないので、フレンに打開策がない。
万が一フレンが打撃で糸口を見つけても、カセレスはスクランブルを仕掛ければいいこと。

フレンは距離で負けている。体格が小さすぎるのでは。バンタム以下でやった方がいいと思う。

カセレス大したことないだろうという評価からフレンに置いたが、フレンがそれ以上に何もできなかった。

TUF出身者は厳しいなぁ。


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第3試合 ウェルター級

ランディ・ブラウン VS マット・ドワイヤー



予想:マット・ドワイヤー

1R

非常に背の高い両名。
より距離が長いのがドワイヤーで、プレッシャーを掛けるのがブラウン。

ブラウンが度ワイヤーほどの長距離手が未経験か、非常に戦いにくそう。
両者有効だがあまり見られない。

強いて言うならドワイヤーの右のオーバーハンドがいくつかブラウンの顔に届いたのみ。


2R

距離感はやはりドワイヤー。ここではじめてスクランブルの展開。
金網を背に両者が目まぐるしく入れ替わる。すぐにブレイク。

ドワイヤーの右ローが目立ち、右オーバーハンドもブラウンが相変わらず対応できていない。

再度スクランブル。膂力はブラウンか。ブラウンが大きな柔道投げでテイクダウン。
ダースチョークを狙うが、ドワイヤー危なげなく躱す。
あの大きなテイクダウンは印象的。

今度はドワイヤーがスクランブルからテイクダウン。
やるべきを心得ている。取られたら取り返す。

勝負は3Rへ。


3R

前に出たブラウン。素晴らしい選択。
アイポークがあり、ドワイヤーが苦しそうに対応する。そこからブラウンがテイクダウンも、バックを取るのがドワイヤー。

しかしブラウンの対処が良く、さらにもつれ合いバックを取り返すブラウン。
立ち上がったままだったので離れる。

ドワイヤー疲れたか。

最後までスクランブル合戦が続き、ここという見せ場がなく終了。


勝者:ランディ・ブラウン(判定 3-0)


−感想

ブラウンは厳しい戦いだったとは思う。
というか本当にUFCで楽に勝てる選手と言うのはいないのだなぁと思う。


-----------------------


第2試合 フェザー級

レヴァン・マカシュヴィリ VS デーモン・ジャクソン



予想:デーモン・ジャクソン

1R

リーチの長いジャクソンが前に出る、頭を下げ長いジャブとストレートを放っていく、悪くない。
マカシュヴィリはサイドステップと反撃で応戦、スクランブルを許さない姿勢。

しかしリーチの長いジャクソンにとうとうスクランブルを許す。
ここで腰が強いマカシュヴィリ。

ラウンド終了までスクランブルを狙っていくが、マカシュヴィリはテイクダウンを許さない。


2R

ジャクソンの頭を下げた長いジャブとストレートが良い。
タックルへ反応せざるを得ないマカシュヴィリに有効なのだろう。

マカシュヴィリの応戦も負けてはいないが、とにかく後退しまくるのが印象にどう影響するか。

1Rと同じくスクランブルで倒れない、倒せない展開。


3R

同じような展開だが、少々打撃が多い。
しかしマカシュヴィリは、土俵であるスタンディングでそこまで戦えていない。

途中マカシュヴィリは2度テイクダウンするが、1度目はギロチンでカウンターされ、すぐに立たれる。
2度目もそこまで安定せず、ジャクソンがエスケープする途中、4点でのヘッドキックを当ててしまう。

すぐに再開して、マカシュヴィリの指がジャクソンに入り、減点を取られるマカシュヴィリ。
残りは1分。

激しくスタンディングで動く両者だが、ヒットはほぼない。
終了。


勝者:ドロー(1-0)


−感想

マカシュヴィリはまずストライカーとして、距離とカウンターがない。
スクランブルでのディフェンスは非常に良いとしても、これでは攻撃手段がないに等しい。

対するジャクソンは自分のゲームが出来てはいた。

減点があったので、マカシュヴィリは本来29-28×2だったのが、28-28×2のドローへ。
減点がなければマカシュヴィリの勝ちだが、それでもスプリット。(ジャクソンが29-28×1)

ドローは払い戻しなのでどうでもいいのだが、マカシュヴィリはテイクダウンは自ら仕掛けていかなければスタンディングで攻撃できないと思う。

対するジャクソンは、テイクダウンが難しいなら、スクランブルを餌に打撃で有効打をとらないと、やはり勝利材料がなくなる。

両者にとって課題が浮き彫りとなった試合になった。


-----------------------


第1試合 ライト級

トニー・マーチン VS フェリペ・オリヴィエリ



予想:トニー・マーチン


1R

マーチンは非常に手数が少ないが、長いリーチでジリジリとプレッシャーを掛ける。
オリヴィエリはローで応戦、大きなヒットも生むが、スクランブルを許す。

マーチンのスクランブルがグッド。テイクダウンするも、立ち上がるのはオリヴィエリ。

ブレイクからマーチンはしつこくスクランブルをかけていくが、オリヴィエリの対処が良い。
マーチンはなぜ打撃戦に臨まないのだろう。


2R

マーチンはスクランブルを捨てる。ローでオリヴィエリが非常に良いヒットを数発見せる。
マーチンは手詰まりかと思いきや、徐々に右ストレートを中心に良いボクシングを見せる。

リーチが良く良い打撃を持っているのに連携も見せずなぜ1Rはスクランブルへ?
緊張でもしていたのか。

マーチンがいくつか良いヒットを見せてオリヴィエリがふらつくが、マーチン仕留めきれず。


3R

開始はオリヴィエリの勢いが復活。うーん。
マーチンは局所的に良いパンチを当ててはいるが、どうも攻めあぐねている。

コーナーの「中に入って勝負しろ」との指示に、マーチンがタックル&テイクダウン。
素晴らしい。

サイドトップからスムーズなポジショニングでバックを取り、チョーク。
タップ間に合わず落ちるオリヴィエリ。


勝者:トニー・マーチン(3R リアネキッド・チョーク)


−感想

スタッツだけ見てマーチンをピック、惜しくも強い選手にしか負けてなかったので。

かなり大きなベットを負担させたが、ひとつひとつの武器は良いと思う。
今回は打撃とスクランブルで空回りする場面をあったが、明らかに上回る片鱗を見せた。

まだ荒削りな感は否めないが、長い打撃、スクランブル、寝技がよく、あまり弱点はなさそうだ。

まだ26歳で、打撃のセンスは悪くなさそうなので、打撃とスクランブルの連携が良くなれば今後に期待できそうだ。

これで10勝のうちサブミッション勝ちを8に伸ばした。



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