1月29日(日)に行われたUFC on FOX 23 「シェフチェンコ VS ペニャ」大会の感想です。
第12試合 女子バンタム級
win バレンチナ・シェフチェンコ VS ジュリアナ・ペニャ
クリンチ戦を仕掛けるペニャ。シェフチェンコは簡単に組ませてしまうあたり良くない。首相撲の膝もペニャ、しかしそれをキャッチしてテイクダウンするのはシェフチェンコ。トップから効果的には攻められないがトップキープはある程度できている。ペニャの下からの仕掛けもディフェンス。
動きの少ない展開で2Rへ。同じようなクリンチで今度はペニャがテイクダウン。絶体絶命のシェフチェンコだが、なんとボトムからアームバーをセット。あっさりと極めてしまった。
シェフチェンコの打撃の距離感は買いかぶっていたが、テイクダウンとサブミッションでペニャ相手にここまでできるほどだとは思わなかった。トータルファイター。ヌネスとシェフチェンコの二強時代突入か。ペニャはグラウンドで負けてしまったか。
観戦していたヌネスも祝福。
第11試合 ウェルター級
ドナルド・セラーニ VS ホルヘ・マスビダル win
セラーニの強烈な前足のミドルで開幕。ジャブの差し合いから組み立てる正統派キックボクシングらしいスタイルを見せる両者。ただここら辺はセラーニの方がやはり上手。パンチだけならマスビダルもまだ肉薄できるが、ロー蹴り方は圧倒的にセラーニが上。その上中盤ではタックルも見せる、ここが回り始めると一気にセラーニの試合になりそうだが、マスビダルの気迫がものすごい。距離もまるでキックボクシングのようで、テンションが高い面白い試合。
それ以降、マスビダルのパンチをどうもセラーニが嫌がっている印象。打ち返しもなく下がり始めている。序盤に多少強打を受けているのに前にでるマスビダルの気迫が素晴らしい。これはどうやっても勝つつもりに見える。ラウンド終盤、マスビダルがパンチをまとめるとセラーニがダウン、追撃するとハーブ・ディーンが試合を止めた。しかし同時にホーン。ラウンド終了だから止めたとのディーン。
2R、セラーニが動けるわけもなく、マスビダルが攻撃をまとめるとレフェリーが試合を止める。
まず、ハーブ・ディーンは確実に試合を止めていた。ホーンより前に動いたため。直後にホーンが鳴ったために裁定を変えてしまったよう。これはよくない。セラーニが危ない。
今日はマスビダルの日、セラーニをKOするとは。差し合いやテクニックで勝てないとなると打ちに出る。マスビダルはいつも本当に試合が巧い。こんなラフファイトとは、、、なんという気迫。モチベーションが一向に下がらない、タイトルを取るぞというマスビダルの意思を感じた。
第10試合 ヘビー級
win フランシス・ガヌー VS アンドレイ・アルロフスキー
慎重な立ち上がり。ヘビー級らしからぬ素早い動きに目が離せない。ローの差し合いからより慎重なのはガヌー。相手のパンチをしっかり見ようという気持ちが伝わる。1分経過、プレッシャーを掛け始めるのはガヌーだが、迎え撃たんとアルロフスキーはステップインし、素早いロングフック。
懐の深いガヌーは上体を引きながら左フック。これがアルロフスキーのテンプルをかすめるように揺らすと、フォローの右フックアッパー。193cmのアルロフスキーが浮き上がりマットに叩きつけられると、追撃のパウンドはガヌー。すでに失神しているであろうアルロフスキーをレフェリーが保護。
まずガヌーがボクシングのうまいアルロフスキーの速いパンチをバックステップでかわしながら左フックを合わせた点に拍手。素晴らしいディフェンスとオフェンス。これならアリスターなんかとやっても勝てそうだ。
アルロフスキーは自ら仕掛けるにはほんの少し距離が遠かったが、懐の深いガヌーがプレッシャーを掛けていたからこそ。完敗でしょう。
第9試合 フェザー級
win ジェイソン・ナイト VS アレックス・カセレス
1R、キック&スタンディングのカセレス、パンチ&テイクダウンのナイトという分かりやすい構図。序盤はナイトのパンチが当たるが、カセレスのローが生き始めるとパンチでもカセレスがリズムに乗りはじめる。終了直前はナイトがビッグスラムからバックにつきチョークを仕掛けるが、時間がない。
2R、打撃は互角もクリンチでもつれ再度バックへついたナイト。残りは3分、四の字のボディロックがきつい。2分間のタフなコントロールから残り1分でリア・ネイキッド・チョークのトライ。完璧とは言えないセットから渾身の力で締め上げるとカセレスがタップ。
第8試合 ミドル級
win サム・アルビー VS ネイサン・マーコート
序盤から手数が少なすぎる展開。2R以降徐々にアルヴィのパンチが当たり始める。マーコートはイップスだろうか? パンチが見えていないか見てないか、頭を下げてバックステップや妙な上げ受けを見せる。マーコートもこれほどパンチを避けられなくなったのだと実感。普通は被弾するのが時間の問題という感じだが、アルヴィもなぜか距離のリセットを繰り返す。
3Rは残り3分でアルヴィをテイクダウン、バックを取るも攻めきれず。残りもどちらも手を出さない展開。判定は3-0でサム・アルヴィ、しかし何をしたという印象はない。地元で残念ながら勝利ならず、マーコート。
第7試合 バンタム級
win ハファエル・アスンサソン VS アルジャメイン・スターリング
ローの蹴り合いから静かながら緊張感のある立ち上がり。プレッシャーを嫌がっているのはスターリングで、パンチは一切なくアウトキック。近い距離でのパンチはアスンサォンのものが印象がいいか。スターリングはカーディオ配分をうまくやっているのだろうが、効果的に攻められない。
2,3Rと徐々にスターリングがパンチを出していく。練習の成果を出し始めたのだろうか? 今回はスターリングがしっかり打撃でやり切ると決心していたところが本当に良かった。が、やはり2-1のスプリットでアスンサォン。キックよりパンチがポイントになるジャッジらしい。アスンサォン負けない戦いをした、という印象だがこれはUFCの判定を考えればスターリングでもおかしくはない。
スターリングは1Rからパンチを出していけば、というのが悔やまれたが、3Rアスンサォンのような選手へ積極的にパンチを出した姿に拍手。殻を破ったのだと実感、そろそろスターリングの完成形が見られそうだ。
第6試合 ウェルター級
win リー・ジンリャン VS ボビー・ナッシュ
1R、ナッシュが長いパンチで先手を取っていく。ジンリャンは徐々に見切り、右のカウンターを打ち込んでいく。ローと右ストレートでみるみるジンリャンが優勢をとなる。ナッシュは足を引きずり下がるほど。しかし入ってきたジンリャンへ、ナッシュの左フックが入りダウン。チョークで仕留めんとするナッシュだが、どうにかジンリャンは耐え抜く。
2R、左フックの脅威の影があるか、プレッシャーはナッシュ。ナッシュは思い切りよく殴っていき、適度なところでダブルレッグをしかけ、耐えるジンリャンへチェーン・レスリング。1分以上か、ケージ際のテイクダウントライをナッシュがやっと諦めると、仕切り直しのスタンディングは後ずさりするナッシュ。ジンリャンはパンチでなくローを選択。ナイスチョイス。強烈な数発のローできっちりナッシュの足を殺すと、その後ジンリャンはタックル。ナッシュはこれを切るが、下へ意識傾注を強制しただろう、オーバーハンドのような大きな右を当てるとナッシュが崩れ、だめ押しのパウンドでレフェリーがストップ。
このフィニッシュは見もの。ジンリャン、会心の勝利。ナッシュはジンリャン相手にはテイクダウンが機能しなかった。この中で打撃を生かさなければならないが、ここはジンリャンの方が上だったよう。テイクダウンが出来ないときに頼れるのは打撃しかない。ナッシュは今後長い手を生かしてほしい。ジンリャンは被弾傾向が相変わらずあるが、基本的に強い選手。K太郎よく勝ったなーと思う。
ジョーダン・ジョンソン
今回ルイス・エンリケ・ダ・シウバと対戦。リラックスしながら最適な攻撃を選択するスタイルを見せたジョンソン。ジャブで丁寧にリズムを作り、アッパーやストレートで崩す。機を見てクリンチをしてからレスリングらしからぬ出足払いを見せ、グラウンドコントロールは抜群。サブミッションも素晴らしく柔術の強いをキャッチし、極まらなさそうなら組み立てなおす。カーディオ配分も抜群。
これは素晴らしくうまい選手。いつも100%のパフォーマンスを発揮しそうで、圧倒的にやられることはなさそう。まだ7戦目の選手でこれはすごい。ライトヘビーのトップと比べるのは少々気が引けるが、コーミエらと比べるとアジリティに少々欠ける印象。展開を自ら作れるうちは強さを発揮しそう。今後打撃の速度向上があるとより期待できそう。
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一回りでかいペーニャがうまく削る展開になれば勝てるのではと予想通りの展開だったんですが
下から見事に決められるとは想定外でした。
前回負けたスターリングもアスンサオの年齢考えるとここらで越えられるのでは
積極性の修正点が出れば勝てるとの予想でしたが今一歩及ばず。
1,2Rどっちかといえば前に出ていたアスンサオ?3Rはスターリング濃厚。
賭け抜きにしてもこういう試合の判定はモヤモヤしますね。
そしてカウボーイ、カウボーイ対決あたりからパンチもらった後の反応が悪い気がしていたのですが、
地元だからたぶん今日はいけるだろうマスビよりも体のカットもいいと安易にいってしまいました。
前の二戦投資額を抑えていただけに痛恨のミス。
全大会、ベラトールといい感じできていただけに投資額を増やしすぎて年明けのプラスがパーにと予想以上にBETに対して失敗しました。
アルロフスキーvsガヌーは、もちろんガヌー強かったんですが、自分はそれ以上にアルロフスキーに限界を感じました。アリスター戦で反応速度と打たれ強さの確実な衰えを感じ、ジョシュ戦でジョシュの前進しながら出した手打ちパンチをモロに食らってダウンするところを見て、もう衰えは確実だと・・・。昔は打撃と言えばアルロフスキーの得意ステージで、アルロフスキーが相手と打撃を交換してる時いつアルロフスキーが相手をKOするかとハラハラしながら見ていましたが、最近では打撃の交換になるといつアルロフスキーが倒されるのかとハラハラしながら見るようになってしまいました。打たれ弱さについては前から指摘がありましたが、反応の悪さを最近顕著に感じます。
ガヌーは良い選手ですね。個人的にはデリック・ルイスとの試合を見たいです。
セラーニvsマスヴィタルについては、自分はマスヴィタルにも何か決め手に欠ける選手というイメージを抱いていたので、マスヴィタルが絶対勝つ!と予想していたわけではありませんでしたが、自分は前々からセラーニは小柄な選手やライト級上がりに勝ってきただけで本当のウェルター級選手にはまだ勝っていないと見なしてきたので、前回のブラウン戦で負けるんじゃないかと思っていたのですが、いかんせんブラウンも最近調子が悪く・・・ですがそのブラウンにダウンを奪われたので、いつか相手を受け止めきれずパンチでKOされるのではないかと思っていました。ゆうてマスヴィタルもライト級上がりですが、ウェルター級で力負けしている印象はありません。
そしてセラーニ、やはり目が良くない。ライト級時代から度々顔面にパンチをもらってしまうのが気になっていました。
距離を取ってのテクニカルな攻防は強いが圧力のある下がってくれない相手に弱いのでしょうか。
ドスアンジョス戦、そして今回のマスヴィタルも蹴り足をキャッチされてバランス崩した所を詰められて捌ききれずやられましたよね。今回のマスヴィタルは気迫がすごく下がるような戦いはしてませんでしたし。
セラーニはやはりライト級の方が良い気がします。ローラーやウッドリーまたはラーキンなんかと戦ってもパンチでKOされそうです。
マスヴィタルにはこれからに期待したいです!
ペニャのグラウンドってめちゃくちゃうまいわけじゃないんでしょうかね? シェフチェンコがうまかったんでしょうか。ペニャはキックボクサーのトップにいたのでもしかしたら油断かも知れませんね。
アスンソンとスターリングの試合、1,2Rに関してなんですが、おそらく北米ジャッジによくみるパンチ>ローって感じでしょうか。ああいうの本当は2Rは10-10つけてくれてもいいっちゃいいんですよね。基本的にドロー出さない方針らしい印象も受けるので、10-10は今後もつかないと思いますが。
カウボーイやっぱり接近戦のパンチは被弾傾向ありますね。確かにマットブラウン戦は今思い出せば危なかったように思えます。ただ正直今までフェイバリットのセラーニの安定感が良すぎて、やっぱりここは連勝にベットしちゃいますよね。
年明けのプラス消されちゃいましたか。でもプラスを狙うことそれ自体がリスクですもんね。2月からUFCの興行も増えますし楽しみですね。
お久しぶりです^^
アルロフスキー反応速度落ちてますよね。ジャブだけでヒョードルやファブリシオを撃ち落していた時期や、必殺のカウンターを打っていたときとはちょっと違う選手のようですね。反応が悪いからできないんでしょう。そうなるとタフネスの良くないアルロフスキーがディフェンスに回るとジリ貧ですし、大胆に攻撃するしかないですしね。その点はマーコートよりも素晴らしいですが。デリック・ルイスは面白いですね、ガヌーのテイクダウンディフェンスもルイスに通用するんでしょうかね? ルイス大きいですからね〜
セラーニやっぱり目は良くないですね。長いリーチの保持で相手の打撃の圏外で戦ってきたのでしょうが、ウェルター級になってテイクダウンとショートパンチなどのインファイトが予想外に強くすごく印象よかったですが。本戦で被弾傾向のしわ寄せが来ましたね。確かにローラーやラーキンクラスだとパワー負けしそうです。
確かにマスビダル前々回までは決め手に欠くファイターでしたよね。笑。
負けない戦い方から勝つ戦い方をするようになったと思います。マスビダルを非常に高く評価している予想屋の方がいらっしゃって、今回なるほどなぁ、と思いました。注目ですね。