12月11日(日)に行われたUFC 206「ホロウェイ VS ペティス」大会の感想です。
win マックス・ホロウェイ VS アンソニー・ペティス
はじめはペティスのミドルがよく出ていたのだが、ホロウェイがひとしきりこれを見るとローに合わせたりイン・アウトでパンチでポイントを重ねていく展開。ペティスは展開を変えんとクリンチを仕掛けるが、パンチで入ってもホロウェイの打ち返しが痛いし、クリンチでも膝を疲れたり首を取られテイクダウンや有効な攻めが出来ない。
ホロウェイのスイッチングの自在さが素晴らしい。相手のリズムを崩したり、ディフェンスにも使える。さらに攻撃時もオーソドックスから右足のフロントキック(スイッチ) → 右フック → 左ストレート や、右足キックをフェイントしての右のスーパーマンパンチなど多彩な攻め。キックでもあまり見ないので面白い。
3Rには、残り20秒でワンツーから右のミドル。ホロウェイのツーが強く当たったか。ガードを固めるペティスへパンチをまとめる。右と左のボディを強烈に入れるとペティスがしゃがむ。パンチをやめないホロウェイへレフェリーがストップ。
ホロウェイ素晴らしい! なんと10連勝! 紛れもない天才だ。エジソン・バルボーザもペティスをここまで完封してないと思う。ペティスも体重超過しながらも結構調子がよさそうだったが。これで晴れて暫定王者を手にしたホロウェイ。次の試合はアルドだが、自分はホロウェイが勝つんじゃないかと予想。アルドの身長ではローへストレートを合わせられるし、ストライカーとしては相性のいい相手。早く見たい。
またペティスは1Rに拳を負傷したとのこと。体重超過したのでもうライトに戻るそう。それが良いだろう。ホロウェイを称え終幕。
win ドナルド・セラーニ VS マット・ブラウン
被弾ありきで前にでるブラウンへセラーニが徐々に押される展開。セラーニのジャブが良くあたるのだが、ブラウンのオーバーハンドが機能しているのでここのシーソーゲーム。セラーニは相手が下がっているときには、ワンツーからの左ハイや肘など、相手に当てる攻撃を持っているが、距離を詰められると少々心もとない。このサイズの選手との試合はセラーニも少ないのできつかっただろう。
しかし第3ラウンド、ブラウンがジャブを突き出しながら右へスリップすると、セラーニは必殺の左ハイで切って落とす。息の詰まるような接戦から突発的で衝撃的なKOで幕。
ブラウンの良さが出た試合だった。特に今回はウェルターで初めてセラーニのテイクダウンが機能しなかった試合。ブラウンへタックルが通じないとなるとウェルターでの底がちょっと見え始めただろうか?
ただ、試合巧者ぶりは相変わらずだった。この苦戦を糧に、また今後のウェルター級のトップ戦線へ、セラーニの挑戦を楽しみにしている。
チェ・ドゥホ VS カブ・スワンソン
1R。スワンソンのローへいきなり大きな右を合わせるドゥホ、クリンチ戦では膝をいくつかぶち込む。ドゥホものすごい研究している感じがするぞ。ドゥホはジャブがいいのだが、スワンソンのオーバーハンドが当たる。ドゥホ距離感が非常に良いのだが、左からの攻撃に少々甘いか?
それにしてもドゥホのワンツーが長く強く綺麗。ボディへ当たってもすごい音がなる。スワンソンのクリンチからのテイクダウンへの対応もばっちり。あとはスワンソンがドゥホの打撃にアジャストしてくるだろうが、どうなるか。
2R。スワンソンがまっすぐ下がるドゥホの顔面を狙い、追いかけてオーバーハンドを当てる作戦。これが功を奏し、ドゥホは強烈に被弾。フラフラのドゥホへ襲い掛かるスワンソンだが、ドゥホは強烈な右ストレートで応戦。今度はスワンソンがグロッキー。ここも耐えたスワンソンがクリンチからテイクダウン、ドゥホはどうにか立ち上がり生き残った。このあとは殴り合いでドゥホもさらに殴られる。スワンソンの方が余力があるか。スワンソンの息もあがり、そこへドゥホのボディストレートが刺さる。すごい試合だ。
3R。右がよく当てるのはドゥホ。ガスが切れたのはドゥホだと思ったが、タフな青年だ。相手はあのスワンソンだぞ。追いつめるドゥホだが、追い込んだグラウンドでトップを許す。惜しい。立ち上がると今度はスワンソンの攻勢。ドゥホ相当殴られているが、倒れない。やはりスワンソンの攻勢に打ち返して押し返す。
1Rドゥホ、2Rスワンソン、3Rはスワンソンだろうか?
勝利:カブ・スワンソン(判定 3-0)
いやー、ドゥホ惜しかった。ドゥホの分岐は3Rのグラウンドへ行ったところか? と思いきやフルマークでスワンソンが二つ。しょうがないな。2,3Rは明確に取られた。やはりトップランカーはタフ。ここでドゥホのトントン拍子に水がささった。が、観客のハートはばっちりつかんだな。
ジャクソンズもやっぱり素晴らしい2Rできっちり修正してからは、ビッグヒットをしっかり当ててきた。試合中の修正力はスワンソンの方が全然上だったな。これは経験の差か。ただ、ドゥホがタフ過ぎて強打を打ち返してくるあたり面食らっただろうけど。またそれで倒れないスワンソンもおかしいけど。笑。
ダナは「ファイト・オブ・ザ・イヤー」と迷わずツイート。社長の年間最高試合のお墨付きをもらった両名。
試合後のマイク、ドゥホは「勝つつもりでいた。スワンソンのファンであったため戦いたかった。二度と負けません」とのこと。いやー素晴らしい試合だった。
ティム・ケネディ VS ケルヴィン・ガステラム win
ガステラムの強さはクリンチの強さを担保にした強くてうまいボクシングだけど、ケネディ相手にクリンチの強さは担保できなかったか。しかし致命的な攻撃は許さずガステラムが温存、先に消耗したのはケネディ。担保はとんでもないスタミナとタフネスにもあるか。
ガステラムはミドルに戻してパンチのキレがよりよく見える。ガステラムはレスラーよりボクシングがうまいし、ストライカーよりレスリングがうまい印象。しかもあれだけ強打を仕掛けて動きが全然落ちない。やはり強いな。パンチよりのヴェラスケスだ。
ケネディは2年ぶりの試合、動き自体は良かったがガステラムのガスにはついていけなかった。
ほか注目選手
エミル・ミーク
トキーニョを秒殺したミーク。対するミーンは27歳で40戦のキャリア。ミークの粗削りなパンチにきっちりカウンターを入れながらテイクダウンを取ったミーン。しかしそれも1Rまで。あとは被弾しても良いというミークがやはり消耗しても強い。何よりテイクダウン&トップキープがあったことが良かった。
逆スポーツマンシップの壊し屋トキーニョに勝ったのはスカッとしたが、ちょっと前に禁止薬物に引っかかっていた点からどうも手放しで応援できない。息が切れてもアバラが折れても攻め続けたのは素晴らしいが、薬の力でもそういうことができるのでは、と勘繰ってしまう。
ミーシャ・サクノフ
右クリロフ対サクノフ左。極真のクリロフのロー・ミドルが良く出るが、サクノフは前足の足とハイガードでシャット・アウト。クリロフの強烈な前足の左ハイもサクノフの肩が邪魔で当たらない。グラウンドの攻防は両者が素晴らしく目まぐるしいスクランブル戦。ただ、ドリルで最初につかれたのはクリロフか。集中力を切らさないサクノフが立ち上がりのクリンチから強烈な左ストレート。徐々に消耗するクリロフの首をギロチンで絡めとると、ボトムから逃がさずクリロフがタップ。
いやー、サクノフ強い。安定性と対応力と何より持続力がある。前回クテラバのような暴れん坊も最後まで集中力を切らさず料理していたし。ミオシッチのような冷静さがあるな。
クリロフはあのスタンディングとグラウンドを持っている点が脅威。今日はサクノフに勝利を譲ったが、両者ライトヘビー級を盛り上げてくれるはず。
ランド・バンナータ
技巧派ストライカーのマクデッシと対戦。ジャブの差し合いの上手いマクデッシ、今日は短いリーチのディスアドバンテージがなく良く機能している。その中でバンナータはジャブを被弾しつつも随所に鋭い右ストレートをカウンターしていく。繊細な主導権争いの様相から、バンナータが軽くローを出すと右回りにサークリングするマクデッシへ後ろ回し蹴り。
回転が途中で止まりフックキックのような蹴りになってしまったが、被弾したマクデッシは完全に失神。ファーガソン戦で見せたバンナータのハードヒットの恐ろしさ再び。
詰将棋のような差し合いに集中しながら飛び道具を狙い相手を崩したバンナータ。これはマクデッシのような巧打者にも致命打を許さず、また打撃の交換にかなりの自信を持っていなければできない。なかなかのビッグ・ハートの持ち主。これは面白いファイター。
マシュー・ロペス
2年ぶりのミッチ・ガニョンへ1Rは被弾するも、意外はレスリングとポジショニングでばっちりコントロール。素晴らしい。ローカルから全勝し、UFCデビューでヤーヤに負けてしまったがヤーヤはグラップリングはトップクラスなので、そのほかには強いパフォーマンスを発揮しそう。被弾もあったが、今後成熟していく予感。
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