11月27日(日)に行われたUFC Fight Night 101 「ブランソン VS ウィテカー」大会の感想です。
デレク・ブランソン VS ロバート・ウィテカー win
ブランソンがものすごい圧力でウィテカーを殴りながら追いかけて、いくつかクリンチに引きずりこんだのだけど、ここはウィテカーのテイクダウンディフェンスの強さが光った。怪力のブランソンでも全く通用せず。
ここですごいのがブランソンが2R以降は一切考えていないようなラッシュを仕掛ける点。ヘビーのデリック・ルイスみたいな殴り方。ただ数度のテイクダウントライでウィテカーがきっちりディフェンスできて、あとはあの激しい追い足へウィテカーもあれだけ下がりながらきっちりパンチでブランソンを捕えた。
ブランソンはちょっとパワーにものを言わせすぎたが、それも作戦というか自分のマックスを発揮できるプランだと判断したのだろうな。粗さは露呈されたけど相変わらず強烈なプレッシャーだった。むしろきっちり凌いだウィテカーがさすが。
レベルチェンジのような意表をついたダブルレッグでなければ、ブランソンレベルの怪力でもウィテカーは倒されないことを証明した。これはすごい。ウィテカーのスタイルはものすごく好きなので、頑張ってほしい。上にいるのはワイドマン、ジャカレイ、ロックホールド、ロメロ、そして王者ビスピン。強烈な選手ばかりだが、この4強をどこから崩していくか。
この試合の勝者、つまりロバート・ウィテカーが2018年中にはタイトルへ挑戦できる逸材だと信じている。
ジェイク・マシューズ VS アンドリュー・ホルブルック win
マシューズは身体能力が非常に高くレスリングが強いのだが、どうしてもグラップリングで後れを取ってしまう印象。これは柔術を知らないだとかそういう練習環境の問題なのだろうか? あるいは経験で修正されるものだろうか? トップを取るとやはり強いが、ボトムから足やアームを掴まれてしまう。グラップリングのディフェンスが良くない印象。ホルブルックの柔術が素晴らしいというのもあるのだろうけど。
前のスコギンズVSムニョスや、ケリーVSカモージもそうだけど、グラップリングの一点で勝る選手がひたすらに前進してくるのはとんでもないプレッシャーのようだ。それでもマシューズはしっかり戦って気の強さも見せているけど。
まずはニーで攻められてたクリンチで攻勢を取れるようになりたいところ。あとはポジショニングもグラップリングからやられる感じ。今回は3Rにホルブルックがポジショニングでなくサブミッションにこだわったためこぼれたが、もう少しホルブルックがトップにこだわるタイプならもう少しきつい展開になっていたように思う。
ケリー含め今日はグラップラーが非常に良い。とにかく前に出続けるグラップラーは本当に強いと感じる。トニー・ファーガソンなんかもそう。ヴェウドゥムの強さも少し理解できてきた。少し話はそれるが、タンキーニョなんかは強いだろうな。
ハム・ソヒ VS ダニエレ・テイラー win
ハムのプレッシャーがすごかったが、基本的には前に出て左を当てるという攻撃が単調だった。テイラーが徐々にアジャストしてハンの前進になれると、ロー、ミドル、左フック、右ストレートを危なげなく打ち込む展開。
テイラーは素晴らしいステップと右を見せたけど、レスリングがないのが少々気になる。トップコントロールに不安があるのだろうか。このストライキングのみでは少々厳しそう、今回もギリギリの打撃戦で1,2Rは接戦となった。
2名が30-27でテイラーを支持、もう1名はハム。私には理解できなかったが、どうもメディアスコアを見るとハムの支持が多い。ここはよく理解できないのだが、有効打はテイラー。1Rは13対11でハム、2Rは9対13でテイラー、3Rは大きな差でテイラー。アルドVSエドガーも有効打でエドガーだったが。メディアスコアもアテにならないなと感じた。有効打より印象値で見てしまう人が多いという印象。それだとアピールがうまい方が勝つ競技になってしまう。
MMAの競技が強い方が勝って今回は良かった。あるいはみな、どちらかを応援していて、バイアスが掛かっているのでは、と思う。
クリス・カモージ VS ダン・ケリー win
ボクシングはやはりカモージ。ジャブを丁寧に突き出しながら、入ってきたところへストレートを打ち込める。ただし、食らいながら絶対に退かないところがケリー素晴らしい。強烈な肘を食らい額をカットしながら前進するとカモージのメンタルが削られる。随所に大きな左を随所に当てて、組みつけば完全にケリーのペース。
1Rはカモージ、2Rケリーで迎えた3Rは特に苛烈。殴られても退かないケリーへ打ち返しても止められない。手を出されるので被弾するカモージ。それでも打ち返さないと組みつかれるため、必死な展開。血だらけで前進するケリーが散々殴られて散々クリンチではじかれて、残り90秒で渾身のテイクダウン。残り10秒でパスガードし、パウンド連発。試合終了時、顔面を血で真っ赤に濡らすケリーが立ち上がる。
判定は3-0でケリー。文句なし。ケリーのメンタルの強さは心底敬服する。
殴られてもひかない。プレッシャーは絶対にかけ続ける。カウンターが怖くても機を見て思い切りよく殴る。苦しい状況でも勝敗の分岐点では絶対にどうにかし、テイクダウンする。焦らず冷静に着実に前進し、自分の優位を確保する。とにかくハート、精神力が強くなければできない戦い方。テイクダウンとグラウンドしかない自分を生かす唯一の手段を愚直に遂行する姿。心を打たれる。
実際カモージはパンチでは仕留められなかった。ケリーを止めるには強烈に脳を揺らすしかない。そして組んだら非常に強い。対戦相手からすると非常に嫌なファイター。これがボクシングなら、適当にパンチを当てたら自分からクリンチを仕掛ければいい。レフェリーがブレイクしてくれる。MMAは強烈な密着攻撃を持つ選手が退かない限り、驚異がまるで蓄積されていくかのように強まる。あるいはアウトボクシングをする選手が強い打撃を重ねていても、まったく勝利へ前進していないような、むしろ自己の闘志や精神を削られるような圧迫感と戦わなければならない。
ケリーのような選手は一歩一歩を着実に前進してくるから、絶対に一歩も与えてはならないのだろうと思う。すごいファイターだ。
ジアン・エレラ VS ベン・ウェン win
相変わらずウェンの打撃力が良い。どの距離でも足と頭のムーブで相手の打撃を外しているし、ウェンの打撃も速くて重い。身体も強く、クリンチでの逃げ方もうまい。かなり器用な選手という印象。
エレラはウェンに対してはとにかくグラウンドのボトムに敷かなければいけないけど、ダブルレッグがないからほとんど死路。ポイントを捨てて前に出て殴ってダウンを取るか、スリップを誘発させるしかなかった。
ウェンのように器用に戦うタイプは時間経過とともに集中力が落ちて攻略されがちだけど、そこのスタミナや持続力も悪くない。常に逃げの姿勢を維持しているわけでなく、相手を仕留めるタイミングを狙い、追う姿勢を保持しているのが大きい気もする。ディラショーに共通するような攻防一体のスタイル。
スモルカに対しては長い手足、フィジカルの問題で絡めとられたが、今後も大型の柔術家が天敵だろうか。
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