2016年11月13日
感想 「エディ・アルバレス VS コナー・マクレガー」 UFC 205
11月13日(sun)に行われたUFC 205「アルバレス VS マクレガー」大会のメインイベント「エディ・アルバレス VS コナー・マクレガー」の感想です。
(王者)エディ・アルバレス VS コナー・マクレガー
エディが戦前「マクレガーはロックバックばかり。攻略法はある」ということを宣言。ロックバックはボクシングのディフェンスで、足を半歩下げ上体を後方へ揺らすテクニックのよう。マクレガーの反応は素早く、ロックバックと強烈な左ストレートのカウンターをセットで行う。戦術に沿った戦いのできるエディの攻略法に注目。
1Rからエディはパンチを出さず、マクレガーのインローを狙っていく。しかしマクレガーはボディキックなどで応戦しつつ、距離を詰めていく。距離が詰まったためエディもパンチで応戦せざるを得ないが、エディのパンチはかのロックバックを前に交わされ、恐ろしいほど速度でマクレガーが反応しカウンターを合わせる。
エディはこれを被弾し、マクレガーを崩す手立てがない。マクレガーも良いパンチを数発に渡りエディに打ち込んでいるのだが、KOには至らない。ただしエディはマクレガーのこのパンチを前に接近すら許されず、そもそもこの左ストレートを回避する手立てがない。
数度とアルバレスがダウンし、マクレガーがグラウンドへ追撃。トップコントロールもなかなかのものでエディのボトムからのグラウンドをものともしない。肘を落とすが決定には至らず。立ち上がる。
1R終盤、前王者アンジョスを倒したエディのコンパクトな右フックがマクレガーを捕らえる。しかし大事には至らず。
2R、アルバレスが左ストレートの問題を全くクリアできず、レスリングを仕掛けることすらできない。
被弾するエディへ接近するマクレガー、ここでエディにケージレスリングを仕掛ける機会が与えられるが、マクレガーのテイクダウンディフェンスが良い。ここはパウンド・アウトの予想以上。少なくともマクレガーのテイクダウン・ディフェンスはペティス以上のレベルだろうか。
徐々に消耗するアルバレスだが、ケージレスリングも通用せず、オクタゴン中央でタックルを活かすにはまずはパンチしかない。エディはマクレガーがロックバックで回避できないようにもう一歩踏み込み右を振るう。しかしこれもマクレガーの手中。完全にこの右は見えており、鼻をかすらせるかのようにぎりぎりで回避すると、左ストレート、右フック、左ストレート、右フックというボクシング顔負けの四連のコンビネーション。
さすがにアルバレスも動けず、マクレガーがパウンドを落とすとビッグ・ジョンが試合を止めた。
勝利:コナー・マクレガー(2R KO 左ストレート)
ライト級王者エディ・アルバレスをも子ども扱い。
まず、コナー・マクレガーのフィニッシュ・ブローにしびれた。ボクシングの世界戦で見るようなコンビネーション。1Rに一発で倒れないと見るや、パンチをまとめるか。フォロワーさんよりマルケスがメディナ戦で見せたコンビネーションのようだったとリプをいただく。マクレガーの動きはメキシカン・ボクサーのように柔らかくて面白いと。いや確かに。こんなMMAファイターは今までいなかった。
まず、マクレガーのカウンターのすごさ。周知も周知なのだが、何度見ても初めて見るかのように反応速度に驚く。自らジャブのフェイントですらカウンターを合わせてくると予想を書きながらも。このマクレガーのロックバックストレートだけで何億円もの価値があると思う。それほど他に見ない技術。惚れ惚れする。
アルバレスに関しては、インローまでは良かった。あと思ったより通用しなかったのがケージレスリング。そしてパウンド・アウトの評価したタックルに入るタイミングだが、ここに関してはタックルを発動させることすらできなかった。
ここは一重にマクレガーの左ストレート、つまりロックバックを攻略できなかった点。未だにアルバレスの考えていた攻略法というのが明らかにならないが、おそらくロックバックを無駄に誘発させミスを誘ったり、回避機能を殺すような仕掛けを練ってきたに違いない。しかし、そのロジックはマクレガーの反応と左ストレートを前にいとも簡単に木っ端微塵と化した。穴が開くほど見たであろうマクレガーのロックバック・カウンターは、対峙しないと、いや対峙してもなお速すぎたのだろう。
今回は自身よりリーチの短いエディと戦ったマクレガーだが、この驚愕のパフォーマンス、特にカウンターの下地となった距離設定はやはり抜群のものがある。左はモーションがないし、相手の前進はきっちり最小限の後退は反撃可能な距離を保持しながら。これは自分の手だけが届く距離を正確に把握しているからだろう。これは技術ではなく才能だと思う。
マクレガーは自身よりリーチの長いネイトやホロウェイからKOを奪えなかったが、今回感じたのは、リーチの長い相手が苦手なのではないということ。むしろマクレガーはリーチの短い相手を異常に得意としているのではないか。自身よりリーチの長い相手にはステップ・インありきで戦わなければならない。というか、通常どのファイターも打撃はステップ・インとセットで行われる。マクレガーが自身よりリーチの短い相手と戦うとき、ほとんどステップインを使わないな、と感じる。こんな風に戦える選手はあまりいない。恐ろしい。
いずれにせよコナー・マクレガーはこれで2階級同時獲得に成功。UFC史上初。当面ライト級の防衛をするのか、フェザー級の防衛をするのか分からない。フェザー級であれば先のリーチの問題からほとんど相手はいないと見る。例えフランキー・エドガーであろうと。
今回ライト級には天敵、いやそもそも敵がいないというべきハビブ・ヌルマゴメドフは実力を誇示した。彼はリーチの長いマイケル・ジョンソンの打撃をものともしなかった。そもそもマクレガーがカウンターをしようにもヌルマゴメドフ自身手数が少ない。マクレガーが脅威のカウンター精度を誇るなら、ヌルマゴメドフは脅威のテイクダウン精度と言える。
誰にも回避されたことのない左ストレート、誰にも回避されたことのないテイクダウン。
さて、どちらに軍配があがるだろうか。
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もう戦略がどうのこうのと論評するのが失礼なような、天が与えた才能という印象です。強かったですね!
ライト級戦線はエルククイ、ヌルマゴメドフ、マクレガーと超個性派のタレントが揃いましたが、どうもケージの外でかなり揉める事になりそうですね……。すんなり次戦が決まるとも思えません。UFCはもうマクレガーの舵取り出来なくなるんじゃないでしょうか(笑)
このライト級の二名は圧倒的でしたね!
エルククイ、ヌルマゴメドフらとマクレガーの三つ巴はやばいです、しかしライト級は本当に長期政権が出てきませんね。
エルククイはどんな敵でも接戦に引きずりこみ、そういう接戦を絶対に競り勝つような怖い相手ですし、ヌルマゴメドフなんかはそもそも危なかった試合がほとんどないような相手。
ライト級は今後も退屈しなさそうです。
マクレガーのかじ取りについては同感です。
株をよこせと言いだしていますね。笑。それでも彼はファンを愛している感じがしますし、ファンを喜ばせようという印象もあるので、まだまだ楽しませてくれるとは思います。
ボクシングでも王者は半年に1度は防衛しなければなりませんから、マクレガーも3か月に1度ずつ2つの階級を防衛、1階級を半年に1度は防衛してほしいですね。