2016年08月07日
感想 UFC Fight Night 92 「ロドリゲス VS カセレス」大会
8月7日(日)に行われたUFC Fight Night 92 「ロドリゲス VS カセレス」大会の感想です。
第12試合 フェザー級
(1.369)ヤイール・ロドリゲス VS アレックス・カセレス(3.350)
勝者:ヤイール・ロドリゲス(判定 2-1)
ロドリゲスが遠い距離を好んでいて、かなり伸び伸びと技を出せていた印象、MMAでひねり蹴り(内側から外側にひねりながら出す蹴り)出すやつ初めて見た。蹴りの技術では圧倒的にロドリゲスが上。自分も経験があるのだが、試合中に相手の下手っぴな蹴りを見ると大技で決めたくなる。今回はロドリゲスにそういう面があったように思う。あまりクールではないしリスキーで、実際カセレスにバックを取られる。しかしここは前転しながら脚をとってエスケープしたのは流石。
体力が心配だったが、3R以降カセレスが大げさに距離を取らなくてなって、よりコンパクトで精度良い打撃を出すようになったロドリゲス。こういった通常の打撃の攻防でもやはりロドリゲスが上なのだが、たまにコストの高い回転蹴りを出す。奇襲技なので、チェスのような試合に持ち込まないと当たらないだろう、ここら辺はまだ雑か。実際3Rの中盤以降でカセレスが押し始める。それでも回転蹴りが出てしまうのは本当に良くない。
5Rは両者気持ちの戦いだったが、ロドリゲスは3R以降疲れながらよく動けてた。ここまで消耗すると、集中力要するディフェンスは非常に悪くなる。それでも攻撃の手がずいぶん落ちなかったのではきつい練習をしてきたたまものだろう。しかし、5Rでこの組み立てはやはりまずい。
スター性のあるロドリゲスへUFCが用意した経験というプレゼントなのだろうか?
大体同じ大会に出た同じ階級の勝者同士をぶつけることも多いが、スワンソンはランクが上すぎるだろうか? あるいはシヴァーなんかのストライカーか。メインを任せてもらえたなら次はランカーだな。
それにしても49-46でカセレスにつけたジャッジはおかしい。最近分かりやすくダメージを取ってくれているなという印象だったので、今日のジャッジは結構フラストレーションがたまってしまった。
選手もベッターも勝てばなんでもいいはいいのだが、それはあくまで結果論。そのラウンドその瞬間ごとに勝利のためにすべてをぶつけているわけで、瞬間的に戦術を練りながらすべての出力をその場に置いてきている。応援しているファンはもとい、仲間や家族だって必死で応援しているだろう。それが「どのみち負けていました」というのは愕然とする。
ベッターが勝った負けたレベルで嘆くのは一銭の得もないのでただ黙ってればいいのだが、競技としてはそうはいかない。ああいうひどいジャッジは「あるある」じゃあない。絶対的なものとして受け入れるにはあまりにお粗末。判定内容については、自分の血を分けた子供をはじめ地球全体から嫌われてしまえ。
でないと運命と生命を賭している競技者が浮かばれない。感想が毒から始まるのは気持ちよくないが、書かせてもらった。
カサレスお疲れさま、ロドリゲスおめでとう。
第11試合 フェザー級
(1.448)デニス・バミューデス VS ホニー・ジェイソン(2.950)
勝者:デニス・バミューデス(判定 3-0)
ジェイソンが見せたのは 最後の2分でスイッチからバックマウントを取り、チョークを仕掛けたところ。まさかと思った。バミューデスは隙がなさそうでこういうところがもしかしたらあるのかも知れない。
それでも基本的にバミューデスが打投寝でほとんど圧倒的。ここまで圧倒的に強いとは思わなかった。フィジカルの格が違う。バミューデスはフェザーか、王者クラスだな。ラマスに躓かなければアルドと面白い試合をしていただろう。
実際ホロウェイとアルドならホロウェイを予想したくなるが、ホロウェイとバミューデスならバミューデスを予想したいほど。
フェザーは本当にタイトルまで詰まっている、アルドはマクレガーとやりたがっているし(統一戦こそ当然か)、バミューデスは誰とやってもよさそうだ。
それこそホロウェイとやればいいのではないか、と思っていたらより強敵とされるフランキー・エドガーに対戦要求。素晴らしい。
これは楽しそうだ。
第10試合 ミドル級
(1.609)ターレス・レイチ VS クリス・カモージ(2.450)
勝者:ターレス・レイチ(3R リア・ネイキッド・チョーク)
カモージがスクランブルを許さないというのは難しいとは思ったが、スクランブルからレイチがここまで一方的だときつかった。じっくりノーリスクで組み立てられる。
それにしても実際はもっと打撃戦が多くなるとも思ったが、とにかくレイチが賢かった。ノヴァ・ウニオンの選手は結構勝つために何やるか分かってる印象だが、ジャクソンズなんかより修正力がある印象。プランAやプランBというより、より粘りがあり、即効性のある攻撃よりのちの有利を築くためにやることをわかっているような。
今回はとにかくスクランブルしてグラウンドの支配が遂行できたので危なげなかったが。レイチは良さが出た試合だったが、カモージが多少ここまでうまく勝ってきたのがまたやり直しか。
カモージ、3R開始直後意を決したように出たのは非常によかった。が、ここいらで行きし戻りつとなりそうだな。レイチはビスピンといい勝負していたのが大きく、今回は文句ない勝利。次戦は強敵に勝てればタイトルショットも見えてくるだろうか。
第9試合 ウェルター級
(1.709)サンチアゴ・ポンジニビオ VS ザック・カミングス(2.250)
勝者:サンチアゴ・ポンジニビオ(判定 3-0)
サウスポーのカミングスが体が大きく、プレッシャーが強かった。ポンジニビオは距離を取ってステップインの機会を精査していたが、ポンジニビオの左ストレートのモーションが小さく非常に良い。ただポンジニビオも次第に対応。ワンツーに始まり、余裕ができるとハイなど、なかなか長距離で多彩。ここら辺の対応力なんかを予想するのはまだ難しい。
整理するなら、打撃のうまいファイターは距離で劣る(喧嘩4つなど)場合は主導権奪取に時間がかかる、とした方がいいか。この間にスイッチングやタックルで攪乱するなり、今後の攻撃の布石をセットできるのは大きい。カミングスが2Rにタックルできたのもそれが大きいか。
それでもやはり2R以降はポンジニビオが打撃は優勢、しかし当然カミングスの強いパンチも被弾している。アジャストに2R掛かるのならこれはもう手遅れなのだが、ここの対応は地力だろう。書いているだけで、本当にサウスポーというのは有利だな。優勢のオーソドックスのファイターも気を抜くとすぐ被弾してしまうよう。
ストライカーマッチだとアリスターVSシガーノ、マクレガーVSアルドなどもサウスポーの強い左が当たった印象。
カミングスも被弾にめげず前に出て頑張ったのだが、それでもやはり3Rともなると明確にポンジニビオが優勢だったな。ポンジニビオは今回難敵だったが、やはり強さを見せてくれた。そろそろ中堅を卒業して上のランカーとのやることになるだろう。
第8試合 ミドル級
(1.740)ジョー・ジリオッティ VS トレバー・スミス(2.200)
勝者:トレバー・スミス(判定 3-0)
思いのほかジリオッティがかなり速く、打撃も非常に重い。スミスがその打撃を見えてはいないのだが、組み付くのに難がない。さらにこれ以降の展開はスミスがやはりテイクダウンとグラウンドコントロールで勝っていた。ここでかなり体格差のあり、寝技の強いスミスの削りにジリオッティがかなり消耗してしまった。
これが第3R終了まで続いたがジリオッティはかなりスミスに対して相性が悪かったとおもう。それでも膝やパンチなど、見せ場を作った。要のスクランブルで圧倒的に後れを取ってしまったのは残念だが、そもそもミドル級としては小さい。ウェルター級でやってもいいような気がするがどうなのだろう。
スミスはスクランブラーとしてまだまだいけることを証明した。
第7試合 女子ストロー級
(1.377)マリーナ・モロズ VS ダニエレ・テイラー(3.300)
勝者:マリーナ・モロズ(判定 2-1)
モロズはやっぱりワンツーがめちゃくちゃ鋭くハンドスピード良い。しかしちょっと単調でやはりガードワークが甘い気がする。テイラーは自分の打撃が当たらない距離からかなりパリングやらでよく回避している。一方的なディフェンスの中で、最適な機会に飛び込んで強打を当てるのはかなり大変。
しかし入り込んだあとに遠い距離からリセットするのは少しもったいないのでは? 強打があるのだし。膝を警戒しているのだろうか。タックルトライもなかった。
今までの女子であまりないスタイルだし、適正体重はもう少し軽いのだろうが自分は好きな選手の一人となった。
モロズはこれだけリーチのアドバンテージがありながら、仕留めきれなかったのはマイナスポイントとは言えないか。逆にテイラーのような機動力にモロズのリーチとハンドスピードがあったからあれだけハジけたとも言える。
スプリットについてだけど、今までの判定ならユナニマスでモロズかな、とは思ったけど、1Rの有効打撃と2Rのビッグヒットの効果でテイラーでもあながちおかしくなかったのかな? しかしフォロワーさんとも話したが、どうも判定は印象値がかなり強いようだ。
今後自分もジャッジの印象をなるべくトレースできるようにして、印象値で判断できるようにしないと。何よりまず判定に絶対はなく、驚くべき判定は覚悟すべきだろう。
第6試合 ウェルター級
(1.502)コート・マッギー VS ドミニク・スティール(2.750)
勝者:コート・マッギー(判定 3-0)
スタートと同時にワンツー。距離と威力のある奥手のパンチは、構えてすぐ放つと結構当たることが多い印象。ジャガーノートもランブルもそんな感じだった。
しかし1R中盤以降にリカバリーしてからはスティールがやはりマッギーのワンツーに対応し始めて、マッギーの強いスクランブルでもスティールが負けていなかった。
長距離でマッギーが手が出なくなるとスティールが近距離でパワフルにガンガン殴っていってた。マッギーもスティールに負けてしまうと結構きついか。対するスティールもフィジカルやプレッシャーが強いのだが、ちょっと個性が見えにくいどちらかというとアドリブっぽい印象。
なんて書いていると、今度は30-27でマッギーが勝ち。1,2Rは多めに見たとして、3Rマッギーが何をしたのだろう。判定基準がぐちゃぐちゃになっている。最悪。
操作しやすく基準を変えたのではないかと思う。ビジネスとしては間違いなくそれが有益ではある。判定は綺麗に整理されたと受け入れたのだが。
混乱してしまう。
第5試合 ヘビー級
(1.709)マーティン・ティブラ VS ヴィクトル・ペスタ(2.250)
勝者:マーティン・ティブラ(2R KO 左ハイ)
ペスタの打撃は下手ではないのだが、打ち終わりが非常に悪い。ヘビー級の打撃としてはティブラの方が全然伸びと回転力がある。ディフェンスもきっちりしている。ペスタも致命打を避けながら落ち着いて戦っていたが、一朝一夕でアジャストできるものではなかったか。ややアジャストしてきたところで、ティブラの前足のハイキック。レスラーとしてはテイクダウンできなかったことがきつかった。
ティブラは層の薄いヘビーでも良いと思う。次はルイスか?
第4試合 ライト級
(1.680)デビット・テイマー VS ジェイソン・ノヴェーリ(2.300)
勝者:デビット・テーマー(2R 左ストレート → 左右のフック)
リーチは短くともうまいのはやはりテイマー。左ストレートと左のキックが良く出ており、ディフェンスが良い。ノヴェーリは組み付くこともままらなかった。よしんば組み付いたとしても、テイマーのクリンチが強かった。左右の差し合いと左ストレートのカウンターが強いのが単純に強い。体力もばっちり。
好みのストライカー。
さらにセージ・ノースカットへ対戦要求。ノースカット相手ならテイマーが勝てるだろうと思う。
第3試合 フェザー級
(1.460)石原夜叉坊 VS オラシオ・グティエレス(2.900)
サウスポーの夜叉坊が元気よく飛び出る。グティエレスは冷静にジャブとローを突き出していく。遠くからテイクダウンに行く夜叉坊。倒すは良いが安定はしない。夜叉坊長く強い左、非常に良い。相手がローなんかを出すが、夜叉坊は対処が難ない。相手のリーチの長いパンチもものともせず。
焦れて入ってきた相手に、スイッチしながら下がり、前の手の左フックでカウンターの強打。グティエレスはもろに被弾し、崩れ落ちる。パウンドで追撃するもレフェリー止めず。
夜叉坊は止めないのか、とレフェリーを一瞥する。間に立ち上がるグティエレスをもう一度左で打ち抜きKO。
勝者:石原夜叉坊(1R KO 左のぶん殴り)
夜叉坊が一生懸命英語で話す。川尻の負けは良い、判定、認められなかったというショックが夜叉坊のスカ勝ちで幾分和らいだ。
夜叉坊の劇的な成長という感じは見られなかったが、フィジカルが非常に強いし本当に器用。
あのスイッチしながら前の手でフックを打つと、相手は見えないことが多く、パンチの出どころを隠す効果。レイ・セフォーなんかが良くやる。
夜叉坊最高!
第2試合 フェザー級
(1.294)カブ・スワンソン VS 川尻達也(3.900)
これで負けたらリリースを覚悟しているとのこと。
1R、遠い間合いから様子を見る川尻。サウスポーに構え、ローやミドル、左ストレートが出る。素晴らしい。タックルはしかしスワンソンに切られる。残り2分半、なんと右ストレートを川尻が鋭くヒットさせると、今度は相手の打撃に合わせ深くタックルが決まる。バックからもつれてハーフガード、そのままパスしてマウント。残り90秒。理想的な展開だが、スワンソンがどうにかハーフ、そしてガードへ戻す。
2R、続けてサウスポーでローから組み立て。川尻の蹴りの距離が非常に長く、スワンソンなかなか入れないが、パンチは届いている。川尻もスイッチングとミドル、バックブローで長距離で戦えているぞ。ダブルレッグで攻めるが浅い、スワンソンは非常に速い動きでバックを取る。スワンソンがバックから首を取るのだが、川尻は気合いでエスケープ。リセットはスワンソンが大きな打撃で遅いかかるが、川尻必死に打ち返す。もみ合って地面を這う川尻へ、スワンソンが川尻の頭部へ膝蹴り。クリーンなレフェリー、ビッグ・ジョンはしっかり止める。減点なしで再開。スワンソンは強烈なパンチを振るっていくが、川尻往年のような打ち返し。
3R、コメントが打てない。川尻は意を決したように殴りに行く。殴られても倒れながらテイクダウン。しがみついている。いけ!! 2分30秒が残りでもう一度リフトしてテイクダウン! ガードから殴っていく。ケージを蹴ってたつスワンソン。スワンソンが前に出ると足のもつれた川尻がボトムに敷かれる。足関節を仕掛けるが、スワンソンうまい。パウンドを仕掛けられる。残り20秒でリバースしたが、スワンソンが再び上を取りパウンドを受ける。
勝者:カブ・スワンソン(判定 3-0)
スワンソンの勝ちで文句はないが、30-27が二人もいた。ジャッジ基準が変わったのはわかるが、マウント取って殴ったりもして、トータルの打撃では2Rまで川尻が勝ってたんだぞ。スワンソンは悪くない、なんか冷遇されてないか? 気分がめちゃくちゃ悪い。
第1試合 ヘビー級
(1.740)ジャスティン・レデット VS チェイス・シャーマン(2.200)
基本的にローでシャーマン、パンチでレデット。ここは戦前の予想通りではあるが、クリンチの展開はなし。ローよりパンチの即効性があるため、レデットが優勢。しかしシャーマン気持ちが強く、必死に打ち返し下がらない。
2Rに入っても同じだが、シャーマンのキックはまだ重い。解説の大沢さんの言う通りレデットはタックルに行ったら倒せそうだが、殴り合いしか興味ないようだ。レデット足が効いたが、シャーマンはふらふら。両者完全なガス欠だが、諦めない。
3Rは同じ展開。シャーマン前に出るが、KOする余力がないか。さすがに両者と観客ののテンションも下がったか。
勝者:ジャスティン・レデット(判定 3-0)
終了間際から終了時にシャーマンに中指を立てていたのは良くない。元プロボクサーのレデットとのことだが態度があまりよくないし、このガスと技術だったらすぐにやられてしまいそうな印象。
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