2016年07月31日
感想 UFC 201 メインカード 「ローラー VS ウッドリー」大会
7月31日(日)に行われたUFC 201 「ローラー VS ウッドリー」大会のメインカードの感想です。
第11試合 ウェルター級 チャンピオン・シップ
ロビー・ローラー VS タイロン・ウッドリー
予想:タイロン・ウッドリー
サウスポーがローラー。両者距離が遠い。十分に金網へプレッシャーを掛けたウッドリーがツー・ワン・ツーから組み付く。ローラーは膝で応戦。クリンチはブレイク。
リセットからの立ち上がり。遠い距離からウッドリーが飛び込み大きな右。これをローラーが大きく被弾。完全に崩れるようにダウンしたところをウッドリーが横殴りのパウンド。
勝利:タイロン・ウッドリー(1R 右オーバーハンド、パウンド)
また王者が入れ替わった。
王者の風格が板についてきたローラーに対し、ウッドリーが新王者というのはまだ慣れないうえ、最近王者交代が多すぎて衝撃が薄らいでいる感じか。
あまりに早く終わってしまったので技術を分析しづらいが、やはり距離の長いタックルと強打の二択はローラーのように距離の短いストライカーにとって鬼門だとの戦前の予想通りなのだろうか?
パウンド・アウトの予想というのは相性分析の抽象化がかなり激しく、よく言えばかなりシンプル、悪く言えばかなり浅はかなスタイルだ。このまま展開が続いていた場合ウッドリーのガスなどの勘定も大してしてない。
次の挑戦者はワンダーボーイ・トンプソンだろうが、彼はローラーより圧倒的に距離が長くディフェンスが良い。試合が決まればウッドリーの過去の試合をもう少し分析してみたいと思う。
第10試合 女子ストロー級
ローズ・ナマユナス VS カロリーナ・コバケビッチ
予想:ローズ・ナマユナス
コバケビッチの距離が悪く、距離の長いナマユナスの対処が難がない。両者ステップがよく、コンタクトは断続的。コバケビッチがその中でなるべく前に出ているが、ナマユナスが大きく動く。コバケビッチが前に出たところにクリンチ戦が始まるが、両者クリンチが強い。しかしテイクダウンでナマユナス。
2R、続けて前に出たコバケビッチ。しかしクリンチするナマユナスだが、クリンチからの膝が強いコバケビッチ。被弾を気にせずテイクダウンをトライするナマユナス。長時間のトライからバックを取らんとするが、コバケビッチは顔面への膝を強打し突き放す。リセットは長距離でやはりナマユナス。しかし打撃のプレッシャーが嫌か、やはりクリンチを仕掛ける。ただクリンチはコバケビッチの膝がタフ。
3R、打撃の距離ではやはりナマユナス。しかしコバケビッチのプレッシャーがよほど強いか、これを嫌がりかなり焦っているように見える。中盤に差し掛かるとナマユナスがスリップ(引き込みか?)し、コバケビッチがグラウンドトップを攻める。得意のナマユナスのグラウンドはボトムから、コバケビッチのパワーに対抗できず。そのまま試合が終了する。
勝者:カロリーナ・コバケビッチ(判定 2-1)
スプリットはいただけないが、ナマユナスが持っている武器で負けておらず、組み立てで負けてしまっただけに非常に残念。
コバケビッチはいわゆる「パンチがうまい」とか「キックがうまい」というファイターではないと評価していた。その瞬間を切り取れば間違いないのだが、明らかに強力な前進力と、クリンチ以降の展開でラフな打撃戦を制する強さを持っていた。
今度はコバケビッチが王者イェンジェイチックに挑戦するだろうが、パウンド・アウトは早くもイェンジェイチック勝利を予想してしまう。コバケビッチのようにディフェンスが悪い上ごり押し(に私は見えてしまう)スタイルはとにかく好みでないことが分かった。
解説はコバケビッチをべた褒めにしていたが、私はナマユナスの距離の長いアウトボクシングを買う。MMA漫画の名著「オールラウンダー廻」の遠藤先生も伸びしろはナマユナスとおっしゃっていたぜ!(予想を外しツイッターで愚痴をこぼしていたら気さくにもリプを下さった)
ちなみに、今度このブログで漫画「オールラウンダー廻」を紹介する予定です。
第9試合 ウェルター級
マット・ブラウン VS ジェイク・エレンバーガー
予想:ジェイク・エレンバーガー
エレンバーガーが鋭い目つき。体格差があり、ブラウンが大きい。
1R開始直後に大きなワン・ツーでエレンバーガーがブラウンのテンプルを打ち抜く。トップから殴りつけるエレンバーガーだが、ブラウンがこれをやり過ごしノーガードでプレッシャーを掛ける。エレンバーガーはこれを嫌がり、金網際をサークリングするが、粘り強く打ち返す。
不用意にプレッシャーを掛けるブラウンに鬼気迫る表情で渾身の左ミドルを放つエレンバーガー。腹を抱えうずくまるブラウンへ上からパウンドで殴りつけるもブラウン動けず。レフェリーがストップ。
勝者:ジェイク・エレンバーガー(1R 左ミドル、パウンド)
ジャガーノートなパンチャー、エレンバーガーが帰ってきた。厳しい時期が続きながら覚悟を決めたようなワン・ツー。気持ちを感じた。
実はブラウンは打撃ディフェンスがそこまで良くなくボディが弱いとの声も。エレンバーガーの底力が見えた試合ではなかったが、会心の勝利。
エレンバーガーはまだまだ諦めていない、それをまざまざと見せつけた。この試合は大きなアップセット、興奮してしまった。
ブラウンはマイアに寝技でやられ、今度は打撃でエレンバーガーにやられたことで少々行き詰った感がある。
第8試合 バンタム級
エリック・ペレズ VS フランシスコ・リベラ
予想:フランシスコ・リベラ
プレッシャーはリベラ。ペレズに先手を取らせ、リベラはカウンターや打ち返しを狙う。ローと大きな右でリベラが有効打を放っているように見えるが、徐々にペレズがプレッシャーを強める。解説によるとリベラのパンチはラフで喧嘩のようとのことだが、自分はリベラの打撃はもっと洗練されたものだと思う。
リベラは左のフックがかなりよく、ペレズは打撃の交換では少々不利か。キャッチしてテイクダウンも狙っているが、リベラがうまく対処している。
2R、自分は相変わらずペレズがパンチを当てられていないように見える。しかしリベラもプレッシャーは掛けているが、そこまで明確なヒットは多くない。しかし徐々にリベラが消耗してきたか、前には出てきているが、ペレズが見切ったか精度が下がっている。
3R、リベラがうちにいくとペレズが応戦。リベラが強打を当てているが、ペレズが被弾しながらもこれをやりすごすと、リベラが疲れてしまう。ペレズがふらりと組み付くと簡単にテイクダウンされてしまう。そのままトップをキープし、ペレズが勝利。
勝者:エリック・ペレズ(判定 3-0)
リベラの打撃が洗練されていると書いたが、間違いだったよう。あのラッシュは途中で試合を投げるようなもの。観客を喜ばす仕事はプロだが、競技者は勝ちを目指さなければ意味がないと思う。リベラはもうあきらめてしまったのだろうか、ペレズが良いファイターに思えないだけに非常にがっかりした。
ボーナスを狙うことにしたのだろうか。結果的には1Rをペレズに2名つけていたのであながち間違い過ぎてはいないが、3Rは最善だっただろうか。ちなみにパウンド・アウトは1Rはリベラだったと思った。
第7試合 フライ級
フレディ・セラーノ VS ライアン・ブノワ
予想:ライアン・ブノワ
左がブノワ。両者ミドルと奥手のパンチを交差させる。しかしセラーノがクリンチから大きなテイクダウン。ハーフガードもコントロールは安定せずブノワがエスケープ。リセットはブノワが大きなパンチを当てるが、セラーノにはレスリングがある、再度テイクダウン。そしてブノワがエスケープ。強打のブノワ、タックルのセラーノ。
2Rに入っても同じような展開。セラーノは徐々にタックルにすがるように戦っているか、ブノワが徐々に削る展開を予想する。セラーノはうまくないかかと落としなどや大きなパンチで攪乱。しかしブノワが疲れてくる。予想に反し削られたのはブノワ、タックルを切れなくなる。
3R、相変わらずブノワがタックルを切れない。しかしガードトップからセラーノが攻められずブレイク。セラーノのタックルをつぶしトップを取るブノワだが、パスガードでエスケープを許す。両者ガスがきついか、ブノワがプレッシャーを掛けるも両者明確には手が出ない。しかしクリンチから最後強く殴ったブノワ。
1,3Rはブノワだろうか。
勝者:ライアン・ブノワ(判定 2-1)
削るストライカー、削るレスラー、とにかくMMAは相手の選択肢とガスを削ることが大事で、効果が相乗する。一進一退の削り合いだったと思うが、セラーノのガスがスタイルとして消耗が多かったようにも思う。
ブノワは本当にあきらめないメンタルが良いと思う。劣勢からセルジオ・ペティスをKOしたのも印象に残っている。ウェンには爆発力で負けてしまったが、ハイレベルなフライ級、今後に期待。
セラーノも強力な武器を見せただけに、トップコントロールに磨きがかかればすぐに大きな強化が望めるだけに初の敗北はいい経験になってくれればと思う。
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ローラーはウッドリーの出方をうかがうようにて少し下がり気味でしたが、自分は金網に詰められたのがまずかったと思いました。金網際でウッドリーとお見合い状態になれば、後ろに逃げ場がないため、ウッドリーの爆発的な飛び込みからのタックルとオーバーハンドの2択がやりやすくなります。
さて、ウッドリーは最近の王座交代の波に乗ることができました。次の挑戦者はおそらくトンプソンでしょうね。トンプソンの上背と構えが高めなことと、ガードが低めなこととかはちょっと気がかりですが、少なくともローラーよりは有利な気がします。距離の長く、予測しづらく、バリエーションの豊富なトンプソンの打撃は、ウッドリーのロリマク戦の再現の再現ができるのではないかとみています。
ローラーはプレッシャーに強いんですがそれは打たれ強さと被弾ありきなので、ウッドリーや階級は上ですがヘンダーソンのようなボムを持っている相手は結構こういうことがあるのかも知れません。
またおっしゃる通り待ちのスタイルはレスラーがタックル機会を精査できるので良くないんですよね。後の先をとるならハントのようにプレッシャーを掛けて、相手のタックルを自ら主導の上で先出しさせないとジリ貧でした。金網際だとケージレスリング許しますしね。
トンプソンに限らずローラーもヘンドリクスやマクドナルドの追い足が遅いので戦えていましたが、タックルの長い(速い)ウッドリーとはより距離がシビアになってきますよね。そういう意味ではやっぱりトンプソンの長い距離のほうがウッドリーとやはり戦えると思います。
ガードはステップありきなので安全圏では上半身のバランスをとるために手は開いていて問題ないような気がしますが、近距離では速やかに手をあげて迎撃態勢を取る必要がありますね。
自分はカーディオや敗戦含めウッドリーの情報をまだちゃんとインプットできていないですが、待ちのスタイルに対し戦術立てやすいのはウッドリーではないかと思っていますが、果たして?
楽しみですね!