本日は、6月24日(金)に開催された「K-1 World GP 2016 -65kg級」トーナメントを観戦した感想です。
K-1は2000年前後の全盛期に熱狂観戦していましたが、最近はもっぱらUFCを観戦。
普段もUFCの感想を中心に書いていますが、Abema TVさんのおかげで快適に見る機会がありました。
非常に面白かったので、感想を。
大会の印象
TBSらと提携していたときは競技性より視聴率やエンターテイメント性が色濃く出ていたと評価。今回はジャッジについても非常に納得感があり、フェアな競技を楽しめた。
フェアな競技が地味かと言えば、このK-1 65kg級はド派手だったと思う。早速UFCと比較するのも少々気が引けるが、木村ミノルなんかのパワーファイターを見ると戦術よりフィジカルや圧力の勝負なのかな? と少々残念な気持ちで観戦していた。
ところがどっこい、終盤になるにつれ駆け引きや打ち分け蹴り分けの技術の応酬につぐ欧州。その上、膠着を許さないルールは選手に休む間を与えずだらつく展開がなし。キックルールというのはローキックが最重要な攻撃との要素もあって、フットワークを使わずにいかにリズムをつかみ相手を制するかというもので、K-1競技そのものがいかにアグレッシブな勝負なのかということを思い出した。
競技の特性上、ファイター同士のメンタルがバチバチにぶつかり合う場面が多く、圧力というのは他格闘技競技よりこのK-1は重要なファクターになることが多い。本当に良いコンテンツだと思った。
何より役者が良かった。10年ほど前、はじめてブアカーオ・ポー.プラムックが登場したときの手を付けられなさは衝撃的すぎて本当に興奮した。個人的にはゲーオ・ウィラサレックの強さはその衝撃と一致したし、準決勝でそのゲーオに勇敢に立ち向かった野杁は、魔裟斗がブアカーオに立ち向かった戦術とはやはり違う。しかし、あのハードパンチに向かって前進し食らいつく姿はまさに魔裟斗のように強靭なメンタルだった。
昔は昔、今は今だのだけど、私のようにK-1を久しぶりに見るものにとっては、先人たちが拳で切り開いてきた精神が脈々と受け継がれているように見えた。すごく嬉しくなったし、心から感動した。
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ゲーオ・ウィラサレック VS 野杁正明
勝者:ゲーオ・ウィラサレック
ウィラサレックの左ストレートが本当に強烈だった。ムエタイ系の蹴りは腰が開くので、威力は感じないのだが、ムエタイファイターのパンチの圧力というのは本当に強いと思う。特に圧力がものをいうキックルール、ここのラフファイトで相手のパンチを恐れずスムーズに強打が打てることが大事だと思う。
対する野杁が用意した戦術がスイッチング。野杁はK-1甲子園ではじめて見たときに、度肝を抜かしたことを覚えている。本当にこれが高校生の戦い方なのか? と思ったほど。天才だと思った。
今回もその印象はまったく変わらず、サウスポーに構え直し器用に戦う姿を見て、やはり彼のテクニックはピカイチと評価。10年前は前蹴りで距離を取りながら綺麗に戦うスタイルを見せていたが、それではゲーオに勝てないことをわかっているのだろう、終盤頭を振りながら強打を振り前に出る姿にクレバーさと強いハートを感じた。
キックに関しては良く分からないが、あとは右フックを野杁ほどのテクニシャンが自在に操れるようになれれば敵なしになるのでは、と感じる。野杁がトップを取ることを切に期待したい。
武尊 VS 小澤海斗
勝者:武尊
この試合は最高だった。
武尊に関してはRIZINの年末興業で鳴り物入りで参加したときが初観戦。正直、そのときは浮いているように見えた。MMAの興業でキックのカリスマが出て強気の発言をしても、ファンが素直に受け入れられなかったのではないか? いや、それより武尊自身が外部の興業で縮こまっていたというか、敵も存在感がなかったし、やはりファンを盛り上げるタイミングとしては無理があったように思う。
ところが今回、小澤海斗という強気な外敵が登場したことにより、武尊自身がふつふつと闘志を燃え上がらせていたのが誰もが分かりやすかった。しかもここは武尊自身のメイン・フィールド。彼はベビーフェイスとして自身とファンを盛り上げたときにこんなに光るとは。私の中ではRIZINのときとは比べ物にならないほど武尊の魅力を実感できた。
そして敵である小澤海斗。武尊もそうだが、小澤選手もあの若さでここまで敵を焚き付け盛り上げてくれるとは。会見のときから武尊に食ってかかり相手を両手で突き飛ばす姿から、ここまで両者の気持ちがぶつかってしまっては試合が荒れるな、と思った。
その肝心な試合は驚くほどクリーン・ファイト。ルールにのっとり前に出てから気持ちを込めて殴る。最高に気持ちの良い試合。こういう評価もどうかと思うが、日本男児たるものこうでなければ、とも思う。
試合自体は全般通してロー、中盤以降はボディへの膝などで主導権を握ったのが武尊。しかし小澤は決して引かず、前に出てあわやという場面を作っている。このメンタルは小澤の尋常ではないと感じる。
判定では武尊の完勝といっていいが、精神的な余裕はそれほどなかったように思う。武尊が試合中にニヤリと笑うのはいつものことだと聞いたが、笑顔というのは威嚇やハッタリでもある。これは武尊が試合中に自己を鼓舞させる気合注入なのではないか、と感じた。
ちなみに試合を終わってみて私がより感情移入していたのは打たれながらも決して倒れず、メンタルを見せ続けた小澤だった。小澤に関してはそのビッグ・マウスとは裏腹に、非常に好青年ではないかという印象が残った。
だからか、試合後に小澤が武尊に握手を求めるのではないかな、と私は思っていた。ところがそういうのは全くなし。まだまだ負けていないという意思の表れだろう、私は小澤を甘く見ていたな、と思った。
そして試合後のマイクでは武尊が「ここまで盛り上げてくれた小澤選手。だからこそプロとして私は決して小澤選手を称えません」との発言。素晴らしい!
この凛々しい青年らは、まだまだバッチバチの試合を私たちに見せてくれるそうだ。こいつとは終わってねえ、と。
ベッタベタに褒めちぎってしまったが、本当に良い興業だった!
感想を書き終えてみて、やはりUFCと日本の興業を見るときとは、私がインプットする情報の質が違うよう。日本の興業の方が感情移入しやすいと感じてしまった。今回はハートフルなK-1選手らにやられてしまった。
今後もAbema TVでK-1を観戦することになりそうだ。
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