2016年04月24日
試合感想(後半) UFC197 「ジョーンズ VS サンプルー」大会
4月24日(日)に行われた、UFC 197 「ジョーンズ VS サンプルー」大会の試合の感想(第8試合漢)です。
前半、第7試合まではこちら。
第12試合 ライトヘビー級 暫定王者決定戦 5分5R
ジョン・ジョーンズ VS オヴァンス・サン・プルー
勝利:ジョン・ジョーンズ(判定 3-0)
ジョーンズが完全復活。分析はほとんどなし、調子もよさそうで動きは1年前よりソリッドな印象。相変わらず反則的なリーチの長さ。ほとんど打撃で削っていったのが印象的。左ミドル、ロー・サイドキック(関節蹴り)、スピンキックあたり、キックが多彩だった。しかし、サンプルーなどリーチが長いストライカーはやはり苦手なんじゃないか。アンソニー・ジョンソンなんかは天敵だろう。
また、解説席にいた王者コーミエだが、今回のファイトをどうみたか。JJの戦術は基本的にアウトサイドを守りながら削っていく強力なものとして、コーミエがどんな戦術を用意するかが楽しみ。
第11試合 フライ級 チャンピオンシップ 5分5R
デメトリアス・ジョンソン VS ヘンリー・セフード
アウトサイドを素早く機動するジョンソン、セフードはローを中心にプレッシャーを選択。アウトボクシングの打撃率ではジョンソン、セフードは打撃のプレッシャーでおいつめ、削っていきたいだろう。
注目のクリンチ戦は、なんとものすごい瞬発力でセフードがジョンソンをテイクダウン。しかしボトムからジョンソンがバスルームにいるかのようにリラックスした表情。まもなく相手を蹴り上げ立ち上がる。
リセットした打撃戦では先と同じで、クリンチの頻度が高くなる。クリンチ以降の展開を先に組み立てる方に注目していたが、肘や膝を効果的に当て始めるジョンソン。かなりタフに入っているように見える。クリンチから離れると明らかにふらつくセフード。ここをすぐに詰め、打撃で襲い掛かるジョンソン。たまらずレフェリーがストップ。
勝利:デメトリアス・ジョンソン(1R KO 膝蹴り)
ジョンソンって本当にすごいのだが、すごすぎる。想像を絶する強さをまざまざと見せつけてくれる。常に相手の2,3歩先を行っている。確実に容易していたクリンチ・ニー。ムエタイの首相撲のように相手を振り回し、がら空きの脇に膝を突き刺した。常に武器が増えている。
セフードのあんなに弱った顔は初めて見た。セフードだって本当に強い選手。それを一縷の望みすら与えない悪魔のナイスガイ・ジョンソンは、今後負けることがあるのだろうか?
心技体ともに最高レベルで、常にMMAの最新を突き進んでいるように見える。自分は歴代最強のMMAファイターをあげるなら、間違いなくデメトリアス・ジョンソンだ。引退まで負けないと思う。
試合が終わった後の愛嬌のある笑顔。ますますマイティ・マウスが好きになった。最高! とてつもなく興奮してしまった。
第10試合 ライト級 5分3R
アンソニー・ペティス VS エジソン・バルボーザ
センターコントロールは常にバルボーザ。とにかくジャブとローの距離でバルボーザ。ペティスがカウンターパンチャーであることも相性の悪い点で、後手に回り打撃戦に距離で先を取られるのがとにかくきつい。しかし、2R以降ジャブはペティスが次第に見切り、パンチで距離を詰めるシーンが増える。ただしバルボーザは並みのストライカーではないのできれいに打ち返せる点が大きい。3R、ジャブの有用度が低くなるや、消耗し始めたペティスのローを狙い撃ちにするバルボーザ。試合展開自体はこのようにまとめてしまえば極めてシンプルだが、試合自体はものすごい緊張感。
これはぜひ鑑賞してほしい試合。
勝利:エジソン・バルボーザ(判定 3-0)
このストライカー対決の勝者の価値はかなり大きいと思う。自信になるだろうし、今後バルボーザの打撃に磨きがかかりそうな予感がある。バルボーザは間違いなくライト級最高のストライカー。
対するペティスは、試合中幾度かシングルを取りに行くシーンが見受けられた。カウンターの打撃スタイルに限界を感じたか、過渡期なのかもしれない。今日はバルボーザの日、ペティスは完敗。
ショータイムの劇的な復帰と、バルボーザの王者への道に大いに期待。
第9試合 ミドル級 5分3R
ロバート・ウィテカー VS ハファエル・ナタウ
ナタウが距離を頑なと取りクリンチを待ちながら丁寧に打ち返していくので、ウィテカーが落ち着いて見えるが意外と中に入り込めない。ウィテカーは遠い距離でジャブまではいいが、深追いを避けいて次につながらず良さが出ないか。対するナタウは思い切りのいいオーバーハンドとロー、威力とスピードがある。ナタウがグラウンドのアドバンテージを背景に、メンタルゲームでウィテカーを削ろうという腹積もりだろう。しかし今日のウィテカーがとにかくクール。我慢を貫いた甲斐あり、1Rは強打を打ち込み2Rを迎える。
このゲームをウィテカーに維持されると削られる側はナタウとなる。テイクダウンは決まらずウィテカーの防御は強固。しかし半分の時間が過ぎると、青く腫れるはウィテカーの左足、重傷だろう。それでもウィテカーのプレッシャーが強くなっていき、金網の追い込み方はもはや堂に入っている。徐々に優劣が不可逆的となり、ウィテカーが3R終了までに優勢となるポイントを抑えきった印象。
勝利:ロバート・ウィテカー(判定 3-0)
わかっていたことだが、ナタウは本当に曲者。メンタルがよくやるべきことを理解している。
対するウィテカーは、それを上回るほど本当に強かった。まだ25歳だったと思うが、まるでアンドレイ・アルロフスキーのようなプレッシャーの掛け方に見えた。試合展開の分岐点やあとあと影響してくる要点を客観視していないとできないゲームをこなせるよう。勢いのあるスタイルが、強い盤石性を備えたものへ進化した印象だ。
ウィテカー、非常によかった。
第8試合 フェザー級 5分3R
ヤイール・ロドリゲス VS アンドレ・フィリ
若手のストライカー同士の激突。前に出るのはフィリ。攻撃力はほぼ互角だが、ディフェンスとテイクダウンでロドリゲス。トップに一度ついたらフィリが簡単にはどかせない。2R、ロドリゲスの左ジャブがフィリの目をとらえる。負傷したであろう、フィリが目をしばたたかせる。痛む目に注意をとられるフィリへ、ロドリゲスがバタフライ・キック(二段蹴り)。これがフィリのヘッドへビッグ・ヒットし、仰向けに倒れると試合を止めた。
勝利:ヤイール・ロドリゲス(2R KO ヘッド・キック)
フィリは気合が入っているように見えて非常によかったが、ロドリゲスが今日はグラウンドでも、テイクダウンでも、打撃でも上だった。



仰られていたアルロフスキーのようと言う例えがとてもしっくり来ました(笑)
でも自分は今日の試合を観ても、ウィテカーは実力的にミドル級のランキング上位陣とは正直勝負にならないのではないのかと思いました。
まずウィテカーは体格的にミドル級では小さいですし、ミドル級上位陣にはウィテカーが寄ってもパワー、体格的にプレッシャーにすらならないのではないのかと思いました・・・。
ペティスは、自分は前からペティスに抱いていた印象がありまして、
ペティスはライト級最高峰のストライカーという風潮がありますが自分の印象は、
パンチとキックはそこまで速く強力ではない、そこそこ強い打撃アクロバティックな曲芸技と運動神経の良さ。
という印象で、ドスアンジョスとの試合で打ち負けていた(ドスアンジョスのタックルを警戒しながらなのもあったと思いますが)のがその印象を更に加速させました。
なので今回、速く強力なパンチとキックを持つ本物のストライカーであるバルボーザとの試合でああなったのだと思います。
デメトリアス・ジョンソンにはただただ脱帽です。
なんかあまり論理的では無い感想になってしまいました(笑)
>ウィテカーは実力的にミドル級のランキング上位陣とは正直勝負にならないのでは
いやー、上位陣はきつそうですね。
ムサシとやってもオッズ3倍くらいつくと思います^^;
>体格的にミドル級では小さい
>パワー、体格的にプレッシャーにすらならないのでは
こうなると持ち味が生かせませんからね。ナタウに結構殴られてましたし、ミドルの上位陣って本当化け物だらけですもんね。
ビスピンあたりなら自分の中ではイーブンオッズつけてもいいんですが、どうでしょうか。
>ペティスはライト級最高峰のストライカーという風潮
>自分の印象は、パンチとキックはそこまで速く強力ではない
>そこそこ強い打撃アクロバティックな曲芸技と運動神経の良さ。
>ドスアンジョスとの試合で打ち負けていた
>速く強力なパンチとキックを持つ本物のストライカーであるバルボーザとの試合でああなったのだと
確かに、ペティスはカウンターパンチャーで距離自体はリーチのアドバンテージありきでめちゃくちゃいいわけではなさそうです。
JDSやMJなどのストライカー全般に言えますが、自分より距離の長い相手とやると途端に難しくなりますね。
アルロフスキーやハントはちょっと別ですが。
>デメトリアス・ジョンソンにはただただ脱帽
彼はサイヤ人なんですかね。あの強さは常軌を逸してます。
>ジョンジョーンズは前よりもっさりした感じになってませんか?
これ実は、前コーミエ戦から感じてました。
自分の印象ではもともとこんな感じだったんじゃないかなと印象なんですが、キャリア初期のほうが速かった印象あるんですよね。
>ワンツーもろに被弾してましたし
距離で戦うタイプなので、パンチディフェンスあんまよくないのかも知れませんね。グスタフソンにもだいぶ殴られてた印象があります。
自分は逆にOSPがもう少し殴れると思ってたので、結構よくやったという印象ですが、JJ本人も納得のいかないパフォーマンスだったようですね〜
>なんかコーミエだったらやられてた気がしますヽ(´Д`;)ノ
コーミエ自身もそのように煽ってしたね!笑
ジョーンズはかなりクレバーなファイターですが、メンタル自体はデリケートな面があると思います。
自分のパフォーマンスに自信をなくしていたらマイナスの影響も出るかもしれませんね。
そうですよね、どの階級もトップ5は化け物だらけですがミドル級は特に、それ以下を寄せ付けない感がすごいですよね。
自分も同意見です(笑)ビスピンがその中では一番可能性があると思います。
自分は、ビスピンが他のトップ5と戦うのとウィテカーがトップ5に挑戦する
のではどちらが勝って行ける可能性があるか、と言われたら圧倒的にビスピンの方が可能性はあると思うんですが、
ビスピンvsウィテカーだと、ウィテカーがホール戦の時のように踏み込みを速くしてパンチを打ち込んで行けば、ビスピンならもらっちゃいそうな気がします(笑)
JDSやMJに関しては本当にそういうとこありますよね。
リーチ+優れたストライキングを持つ相手になるとかなり苦戦しますよね。
自分が思うにJDSやMJ等は、あくまでMMAの中で最高峰のストライカーだと思うんですよ。
もちろんJDSなんかのボクシングテクニックなんかは相当なもんで、パンチの撃ち方、撃ち分け方は素晴らしいです。もちろんパワーだってあります。
でも、nao さんが仰られたハントとアルロフスキーからもっと、MMAのストライカーと言うよりは、立ち技格闘技専門のKO率の高い選手と同じものを感じるんですよね。
ハントはK-1王者なので当たり前ですが。
例えばJDSだったら、リーチ、体格共に勝るロズウェル相手に、KOできないあるいはKO狙うことにリスクを感じるなら
ああいった華麗な撃ち分けとフットワークでポイントアウトするしか無いんですが、
ハントとアルロフスキーは、相手が自分より大きくリーチがあっても、それを苦にせず効かせて倒すんですよね。
アルロフスキーvsブラウンを見るとそれをかなり感じます。
おそらく両者の違いは、踏み込みの速さではないでしょうか。
レスが亀ですみません。
>自分が思うにJDSやMJ等は、あくまでMMAの中で最高峰のストライカー
>ハントとアルロフスキーからもっと、MMAのストライカーと言うよりは、立ち技格闘技専門のKO率の高い選手と同じものを感じる
おっしゃる通りですね。対MMAファイター用の打撃としてはハントやアリスターよりJDSやMJのほうが安定感あるように思えます。
対ロズウェルだとJDSやMJタイプだと捕まらないように戦えるんですよね。よしんば捕まったとしても強そうですし。
ハントやアリスターだったらあれほど盤石にポイントアウトはできないと思います。リスクある代わりに一発でKOしそうな感じもしますし。笑。
ブラウン戦のアルロフスキーはよかったですね。踏み込みの速さや、カウンターが素晴らしかったです。