2015年11月07日

No.4 「最終章、PRIDEファイターが負けた理由と、ヒョードルの挑戦」 / 「ヒョードルは本当に最強だったのか? 〜PRIDEとUFC〜」シリーズ

日本のMMAメジャー興行、RIZIN発足記念

コラム 「ヒョードルは本当に最強だったのか? 〜PRIDEとUFC〜」シリーズ



No.4 「最終章、PRIDEファイターが負けた理由と、ヒョードルの挑戦」------------------



ジョルジュ・サンピエールは、MMAの進化を10年早めた。

UFCの代表であるダナ・ホワイトはそのように語っている。


当時は「なんぼのもんじゃ」と鼻で笑っていたが、今では全くもって同意見である。

GSPの牽引したMMA体系に、PRIDE出身ファイターは全員負けたのだと理解している。


GSPが最強である理由と、今でもMMAの戦術の主軸となる攻撃手段、そして勝敗を分ける大きなポイントは、今では誰もが理解している。


テイクダウン。


GSPはオールラウンダーで、苦手な局面がない反面、グラウンドとストライキングにおいてはトップレベルとは言えない。
GSPが絶対に負けないところは、テイクダウンである。

テイクダウンによって、自らが立組寝のフェイズを主導している。
即ち、GSPと戦った選手は最大のパフォーマンスを維持できないことを意味している。


GSPの示したテイクダウンの重要性は、レスリングの重要性を説いた。

これはおそらく、誰も当時想像し得なかった合理的で極めて自然な副産物を生んでいる。


それこそが、打撃射程の長距離化。

MMAファイターの打撃の射程は長い。タックルとパンチを二択で迫られた場合、対処に要する時間は長くなる。
絶対的に、距離を取る必要がある。


K-1ファイターがMMAファイターに負ける場合があるのは、この距離感の長化だろう。
技術が総合的に劣る場合でも、この距離感こそが異次元的なアドバンテージをもたらしていると理解している。


GSPはUFCの距離感を最適化した。
スイッチしながらの変則的なスーパーマンパンチなど、相手の判断反射に迫る武器を多用するのも、それを理解しているからだろう。



2015年末、PRIDEの終焉から8年を経て、エメリヤーエンコ・ヒョードルが復帰する。


ミルコ・クロコップはその精密機械のようなファイトスタイルから、戦術を疑わず自己の体力を疑ったため、勝てなかったのではないか。
そして、前回、ガブリエル・ゴンザーガに見事なリベンジを果たしたのも、加齢による衰えが現実となり、やっと自らの戦術を最適化したからではないか。

広義としては、適応に8年を要したと言っていいと考えている。そして、ミルコ・クロコップは戻ってきたのだと。

今こそジュニオール・ドスサントスを驚愕させたキックが猛威を振るうときではないかと。



皇帝、エメリヤーエンコ・ヒョードルはどうか。

全盛期に比べ、踏み込みやパンチスピードが衰えたという声を、たまに聞く。
確かに、ファブリシオ・ヴェウドゥム戦やダン・ヘンダーソン戦は不注意が見られた。しかし、アントニオ・シウバ戦はどうか。

重ねて言うが、PEDは関係がない。最強の皇帝ヒョードルに求められるものは必勝のみである。


話しを戻そう。

私はヒョードルの速度が衰えたなどとは全く思わない。
今でもヘビー級において群を抜いたスピードを有していると思っている。


しかし、ヒョードルが加齢でなく、相対的に失ったアドバンテージがある。

それこそテイクダウン能力ではないか。

ミルコとノゲイラに通用したテイクダウンは、大型の北米MMAファイターに通用するとは思えない。


ヒョードルは、自己の相対的なディスアドバンテージを、神の運命や、自己の加齢のせいにはしていないか。


他選手のテイクダウン能力に劣ることを受け入れ、アウトサイドを含めるストライカーとして自己を自覚したとき、最強のヒョードルは戻ってくる可能性があると私は思う。


再始動する日本のメジャーMMA興行。

UFCがPRIDEに競り勝ったのは色んな要素がある。


競技化やアスレチックな整備に対して誠意を持ったUFCが、偶発的であれ、結果的にはファイターに射程距離という能力をもたらした。

私は、純粋にUFCの努力が報われたのだと思いたい。


新興するRIZINはどうか。

榊原代表や高田氏、日本のMMA興行を支持渇望するファンの熱意を私は強く感じている。


これもまた、思わぬ形で報われることを切に期待している。


―――――シリーズは全5回

No.0 「コラムを書いた経緯」
No.1 「ミルコ・クロコップのキックと技術」
No.2 「ミルコ・クロコップのUFC挑戦失敗」
No.3 「UFCとのルールの違いが、PRIDEファイターを苦しめたのか」
No.4 「最終章、PRIDEファイターが負けた理由と、ヒョードルの挑戦」

です。


前章
No.3 「UFCとのルールの違いが、PRIDEファイターを苦しめたのか」
http://mma-pound-out.seesaa.net/article/429214705.html



好きなスポーツに賭けてみたい。ブックメーカーを始めてみたい方はこちらから



登録方法はこちら
ブックメーカーについて詳しく知りたい方はこちら







posted by nao_mma_ymt at 08:55 | Comment(0) | コラム(格闘技関連) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]